はじめに

ICET(正式名称:産総研-室内製品暴露評価ツール(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology – Indoor Consumer Exposure assessment Tool:AIST-ICET))は、室内で使用される消費者製品に含有した化学物質の人への暴露・リスク評価のために開発されたモデルであり、PCで動くソフトウェアです。

人は生活時間の大半を室内で過ごしており、室内では多種多様な製品が使用されているため、室内環境は化学物質への暴露について重要な場です。しかし、室内環境は多様性が高く、製品の種類や使用方法も多岐にわたるため、その暴露評価には困難が伴いました。

本ツールは、化学物質、製品、住宅・世帯・人等の基礎データを内蔵しているため、簡易な操作で、化学物質の室内空気を介する吸入暴露、製品に直接接触することによる経皮暴露、ハウスダストや食器を介した経口暴露を現実的なシナリオとデータによって推計することができます。
また、室内濃度の時間変化を推計しグラフ表示する機能、日本全国の世帯・住民の暴露分布を推計しヒストグラムに表示する機能も持っています。

ICETを用いることで、極端に安全側の値を用いて過大に暴露を評価することなく、現実的な暴露シナリオに基づくや暴露評価を行うことが可能です。ICETが、製品事故のリスク評価や、商品開発時の化学物質管理など、さまざまな場面で活用されることを期待しています。