はじめに
産業技術総合研究所では、「化学物質の最適管理をめざすリスクトレードオフ解析手法の開発」において、東京湾における生物(魚類)への有害化学物質蓄積量が推定可能なモデルを開発致しました。
有害化学物質生物蓄積モデルでは、東京湾に生息する生物(魚類)へ蓄積される有害化学物質の濃度を推定することができるようになっております。生物へ蓄積される化学物質濃度の推定は、公開されている沿岸生態リスク評価モデル(東京湾リスク評価モデル)のデータベースである流動データ、懸濁物質濃度データおよび沿岸生態リスク評価モデルによる溶存態化学物質濃度と懸濁物質吸着態化学物質濃度の計算結果を用いて行います。 また、解析結果は水平・鉛直分布図と任意地点の時系列グラフで表示することができます。さらに、計算結果の数値データはCSV形式で保存することができ、分布図および時系列グラフはWMF、BMP、JPEG形式で画像保存することができます。
本モデルを用いることにより、リスク評価に携わる研究者や評価者だけでなく、国や自治体などの行政担当者や企業,教育関係者においても化学物質のリスクについて関心を持って頂ければと思います。
本モデルは、経済産業省からの受託研究「化学物質の最適管理をめざすリスクトレードオフ解析手法の開発」及び、産総研独自の研究資金を用いて開発されたものです。