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2021年12月 サブミクロン径炭素繊維の肺毒性、細胞毒性、遺伝毒性についての研究報告

(2021年12月20日)

産総研の研究成果として、” Pulmonary toxicity, cytotoxicity, and genotoxicity of submicron-diameter carbon fibers with different diameters and lengths”と題した研究論文が、Toxicology(Elsevier)において2021年12月8日付けで発行されました。

ブレンド紡糸法により作製されたサブミクロン径炭素繊維(SCF)は、直線性が良く単結晶的な構造を有することから導電性や熱伝導性を活かした用途の開発が進んでいる一方、ヒト健康影響については依然として不明な点が多いです。本研究論文は、径や長さの異なる3種類のSCFを対象に、炎症反応をエンドポイントとする180日間のラット気管内投与試験や、ラット肺胞マクロファージを使った細胞毒性試験、さらにOECDテストガイドラインに基づいた3種類の遺伝毒性試験(Ames試験、インビトロ染色体異常試験、インビボ小核試験)の結果をまとめたものです。この結果、3種類のSCFの肺における炎症反応は、SCFの径や長さの物理化学的特性の違いにより異なるとともに、比較材料として供試した同濃度の多層カーボンナノチューブ(MWCNT)に比べて低いことが明らかになりました。また、細胞毒性は炎症反応と同様に、SCFの物理化学的特性の違いにより異なることが分かりました。さらに、SCFは3種類の遺伝毒性試験で陰性となり、遺伝毒性は示さないと結論しました。本論文は、帝人株式会社との共同研究の結果から得られたものです。

リンク

https://doi.org/10.1016/j.tox.2021.153063

本論文はオープンアクセスになっていますので、全文を無償で閲覧できます。

(文責:藤田克英)