(2026年7月9日)
産業技術総合研究所(産総研)の研究者が編集・執筆した英文書籍 “Nanocellulose Materials: Health and Environmental Safety Perspectives” が、2026年7月3日にSpringer Natureから出版されました。本書は電子書籍版(オープンアクセス)として公開されており、世界中の誰もが無償で閲覧・ダウンロードできます。また、ハードカバー版(2026年8月刊行予定)およびソフトカバー版(2027年8月刊行予定)の刊行も予定されています。
本書は、産総研が2025年に公開した「セルロースナノファイバーの安全性評価書」を基盤として、最新の研究成果や国内外の学術論文を反映し、全面的に英文化したものです。国内外の査読付き学術論文に加え、NEDO委託事業「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」(2017~2019年度)および「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」(2020~2024年度)の成果を統合し、セルロースナノファイバー(CNF)の健康および環境安全性に関する知見を包括的に取りまとめています。
CNFは、高強度・軽量という優れた特性を有し、再生可能なバイオマス資源から製造されることから、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する次世代材料として期待されています。一方で、ナノサイズかつ繊維状という特徴を持つことから、その健康影響や環境影響を科学的に評価することの重要性も高まっています。
本書では、遺伝毒性、中皮腫発症リスク、吸入影響、経皮影響、経口毒性、作業環境における排出・暴露評価、生態影響、生分解性などについて最新の知見を体系的に整理するとともに、セルロースナノクリスタル(CNC)や従来のセルロース材料との比較も行っています。
また、本書は有害性評価に加え、リスク評価や暴露管理の考え方も踏まえ、CNFを用いた製品の安全な開発と社会実装を支援する科学的基盤を提供しています。
研究者のみならず、CNFの製造・利用に携わる企業、行政機関、規制当局などにとっても有用な参考資料となることが期待されます。
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- 本書の構成
第1章
書籍の概要:背景、対象範囲および主な知見
第2章
遺伝毒性:エビデンス、作用機序および安全性への示唆
第3章
中皮腫発症リスク:比較検討と安全性に関する知見
第4章
吸入影響:肺反応と長期的影響への考察
第5章
経皮影響:皮膚バリアとの相互作用および刺激性
第6章
経口毒性:実験知見と安全性評価
第7章
排出・暴露評価:事例研究と安全な取扱い戦略
第8章
生態影響:評価手法、課題および知見
第9章
生分解性:ナノ化および化学修飾の影響
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- 書誌情報
書名
Nanocellulose Materials: Health and Environmental Safety Perspectives
編集
Isamu Ogura, Katsuhide Fujita
出版社
Springer Nature(Springer Singapore)
出版日
2026年7月3日(電子書籍版・オープンアクセス)
DOI
https://doi.org/10.1007/978-981-92-2148-6
本書の詳細および各章のPDFは、上記のページから閲覧・ダウンロードできます。






