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2024年4月 マイクロプレートを用いたフェノール-硫酸法の最適化とセルロースナノファイバーの多検体測定への応用

(2024年4月26日)

産総研と香川大の研究成果として、” Optimization of microplate-based phenol-sulfuric acid method and application to the multi-sample measurements of cellulose nanofibers”と題した論文が、Analytical Biochemistry (Elsevier)において2023年9月16日付けで発行されました。

フェノール-硫酸(PSA)法は、全糖量の測定に広く使用されている比色法です。マイクロプレートを用いたPSA法は、多くのサンプルを扱い、危険な化学物質の使用を減らすために有効ですが、最適な手順や測定条件はまだ十分に確立されていません。そこで、我々はマイクロプレートを用いたPSAの最適な手順を検討しました。グルコースと2種類のセルロースナノファイバー(CNF)を測定対象としました。検討の結果、フェノール添加後に硫酸を加えるより、フェノール添加前に硫酸を加えた方が、高い着色を示すことが分かりました。さらに、フェノールを添加撹拌後、静置時間が長いほど、着色が大きく、ばらつきが小さくなり、60分以上の静置時間が最適でした。本方法は、CNF及びその他糖類の多検体定量分析に適用できるものです。実際に本方法は、CNFの生態毒性試験において、CNFの分散安定性の確認や暴露濃度の測定に使用しています(Tai et al., 2024a; Tai et al.. 2024b)。

本成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発/CNF利用技術の開発/多様な製品用途に対応した有害性評価手法の開発と安全性評価」(JPNP20009)の結果得られたものです。

リンク
https://doi.org/10.1016/j.ab.2023.115329
オープンアクセスになっていますので、全文を無償で閲覧できます。

(文責:小倉 勇)