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2024年4月 オオミジンコおよびメダカを用いたTEMPO酸化CNFの生態毒性試験についての研究報告

(2024年4月26日)

産総研の研究成果として、” Acute toxicity tests of TEMPO-oxidized cellulose nanofiber using Daphnia magna and Oryzias latipes”と題した研究論文が、Cellulose(Elsevier)において2024年2月1日付けで発行されました。

セルロースナノファイバー(CNF)は植物由来の新素材で、今後さらなる利用拡大が期待されていますが、それに伴い水環境への流出量も増加することが予想されます。CNFの水生生物への生態影響を把握するためには、まずはCNFそのものの影響を把握できるような試験系で得られた生態毒性データが必要になります。しかし、難水溶性物質であるCNFの試験方法は確立されていません。そこで本研究では、CNFの一種であるTEMPO酸化CNFを対象として、CNFが試験液の中で均一に分散するような試験培地を検討して、その培地を用いた上で、OECDテストガイドラインに基づいたミジンコおよびメダカに対する急性毒性試験を実施しました。生態毒性試験を実施した結果、どちらの生物においても無影響濃度および半数影響濃度は100 mg/L以上となり、TEMPO酸化CNFのミジンコおよびメダカに対する急性的な影響は低いことが示唆されました。一方で、ミジンコの急性毒性試験において、低濃度のTEMPO酸化CNF分散液は濃度均一性が保たれていないことも分かり、試験期間中にCNF濃度を測定することの重要性が示されました。本研究の成果は、今後CNFの生態影響を評価する上で有用な知見となります。

本論文は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発/CNF利用技術の開発/多様な製品用途に対応した有害性評価手法の開発と安全性評価」の結果から得られたものです。

リンク
https://doi.org/10.1007/s10570-024-05747-6
オープンアクセスになっていますので、全文を無償で閲覧できます。

(文責:田井梨絵)