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2020年11月 有害性試験のためのセルロースナノファイバーの滅菌評価技術についての研究報告

(2020年11月9日)

王子ホールディングス株式会社および産総研の研究成果として、Screening of preservatives and evaluation of sterilized cellulose nanofibers for toxicity studiesと題した研究論文が、Journal of Occupational Health(Wiley)において2020年11月7日付けで発行されました。

セルロースナノファイバー(CNF)は、さまざまな用途への開発が進んでいますが、健康影響については不明です。このため培養細胞や実験動物を使った有害性評価試験を実施することになりますが、CNFは植物由来であることから、微生物汚染を避けるため、CNF調製液の殺菌手法の確立が必要となります。そこで、本研究論文では、CNF有害性評価のための防腐剤のスクリーニングと滅菌の効果についてまとめました。この結果、リン酸エステル化CNFに10 ppmの塩化ベンザルコニウム、もしくは250 ppmのパラオキシ安息香酸メチルおよびパラオキシ安息香酸プロピルを添加すると、pHや粘弾性を変化させずに滅菌できることが分かりました。CNFの社会実装化に役立てられれば幸いです。

本論文は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発/CNF安全性評価手法」の研究結果から得られたものです。

リンク

https://doi.org/10.1002/1348-9585.12176

本論文は、オープンアクセスになっていますので、全文を無償で閲覧できます。

(文責:藤田克英)