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2020年10月 セルロースナノファイバーの吸入影響評価についての研究報告

(2020年10月19日)

産総研の研究成果として、第47回日本毒性学会学術年会(2020年6月29日~7月1日、Web開催)において「セルロースナノファイバーの吸入影響評価」と題したポスター発表を行いました。

新素材として多様な応用が期待されるセルロースナノファイバー(CNF)の社会実装化を加速させるためには、CNFの安全性評価が求められます。しかしながら、その中長期の吸入影響については依然として情報が少ないのが現状です。そこで、本研究では、化学修飾および機械解繊したCNFの分散調製を行い、計測について検証した後に、ラット気管内投与試験を実施し、それぞれのCNFの吸入影響について、同等の投与用量の多層カーボンナノチューブ(MWCNT)と比較検証しました。この結果、当該CNFによる炎症反応は、MWCNTと比較して弱く、経日的に減衰することが示唆されました。CNFの社会実装化に役立てられれば幸いです。

本研究発表は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発/CNF安全性評価手法」の結果から得られたものです。

リンク

https://doi.org/10.14869/toxpt.47.1.0_P-132

(文責:藤田克英)