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2011年10月 欧州委員会が規制上のナノマテリアルの公式定義を発表

欧州委員会は10月18日、ナノマテリアルの規制上の定義を正式に発表したした(pdfファイルQ&Aページ)。そこでさっそく、「ナノマテリアルの定義に関する欧州委員会勧告(仮訳)」を作成したので活用していただきたい。

 

「ナノマテリアル」とは、非結合状態、または強凝集体(アグリゲート)または弱凝集体(アグロメレート)であり、個数濃度のサイズ分布で50%以上の粒子について1つ以上の外径が1 nmから100 nmのサイズ範囲である粒子を含む、自然の、または偶然にできた、または製造された材料(マテリアル)を意味する。

 

ナノマテリアルは通常、サイズ分布を持つために、国際標準化機構(ISO)による「1~100nm」という定義だけでは規制行政上は役に立たない。そこで「規制目的での定義」が新たに必要とされた。

 

争点は、1)濃度の指標を個数とするか質量とするか、2)閾値を何%とするか、3)サイズのみか、機能なども考慮するか、の3点に分けることができる。欧州委員会の最終案は、1)については個数濃度、2)は50%、3)は原則サイズのみ、となった。ちなみにドラフト段階では、2)が1%であった。

 

その他、興味深い点を以下に挙げる。

 

★凝集体が100nm以上だとしても一次粒子の外径が1~100nmであればナノマテリアルとみなすことを明記した。
★自然発生のナノマテリアルや副生成物のナノマテリアルも含めた定義である。
★閾値を50%としたものの、正当化できる理由があれば、1%まで下げることができるとした。
★一次粒子の外径が1nm未満であるフラーレン、グラフェン・フレーク、単層CNTはナノマテリアルに含めると明記した。
★SCENIHRの提案した「単位体積あたりの表面積60m3/cm3」という代理指標は採用されたが扱いはやや控えめになった。
★2014年までに、それまで得られた知見に基づき、見直しが行われることが明記された。