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2018年6月 剥離グラフェンの細胞毒性および遺伝毒性に関する研究報告

(2018年6月26日)

産総研、TASC、NEDOの研究成果として、Assessment of cytotoxicity and mutagenicity of exfoliated graphene(剥離グラフェンの細胞毒性および遺伝毒性評価)と題した研究論文が、Toxicology in Vitro (ELSEVIER)において平成30年6月19日付けで発行されました。

本論文は、剥離グラフェンを、培養細胞であるラットマクロファージ(NR8383)に24時間暴露し、生存率や生体内活性酸素種の産生、炎症性サイトカイン産生、網羅的遺伝子発現、および細胞内への取り込み形態を電子顕微鏡観察したものです。この結果、剥離グラフェンの暴露濃度に依存して生存率の低下や炎症性サイトカインの産生、炎症反応や細胞接着に関する遺伝子の誘導、細胞内への取り込みが観察された一方、生体内活性酸素種の産生や変異原性は認められなかったことを明らかにしました。これらの結果は、同様の培養細胞試験で行ったカーボンナノチューブでの試験結果と比較検討することができますが、詳細な生体吸入影響を評価するためには、動物試験が必要と考えます。

リンク

https://doi.org/10.1016/j.tiv.2018.06.016

本論文は、オープンアクセスになっていますので、全文を無償で閲覧できます。

(文責:藤田克英)