RISCAD Update 2023年2月第2週【週刊化学災害ニュース】

2023/02/03 12:00 – 2023/02/10 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年02月15日 10時00分



*2023/02/02発生の、沖縄・製糖工場で廃棄された糖蜜が海に流出

:製糖工場で廃棄された糖蜜約310tが沈砂池の許容量を超過し海に流出。廃棄作業の担当者が沈砂池の許容量を超過すると側溝から海に排出されることを認識していなかった可能性

*2023/02/05発生の、米国・塩化ビニルなどを積載した列車が脱線して火災

:140両編成の列車のうち50両が脱線。脱線した車両のうち20両が危険物を積載していた。そのうち5両は塩化ビニルを積載しており、爆発を避けるため当局が塩化ビニルの制御燃焼処理を行った。けが人はなし

*2023/02/06発生の、静岡・建設中のバイオマス発電所で溶接作業中に一酸化炭素中毒

:ボイラの排気ガスを浄化するバグフィルタ内で部品の溶接作業中に、何かの原因で同フィルタ内に一酸化炭素が充満した可能性。フィルタ内で倒れた作業員のうち1名が死亡、2名が重症、8名が中軽症

*2023/02/06発生の、石川・食品加工工場で短絡による火災

:工場は終業後で無人であったが、工場内の洗濯場内の衣類乾燥機が稼働しており、乾燥機に接続された延長ケーブルが短絡して出火した可能性

*2023/02/06発生の、広島・砥石工場で火災

:火災による電力会社設備の故障で停電が発生し、周辺の約3,200軒と信号機などに影響が出た

*2023/02/08発生の、茨城・原子力関連研究機関の機械室で給電ケーブルの火災

:1月に過電流が原因で安全装置が作動して自動停止して点検中であった排気設備の給電ケーブルの火災。点検中の職員がケーブルに焦げ跡を発見し、消防が検証して火災と判断


上記でお知らせしたように、2/8発生の原子力開発研究機関で排気設備の給電ケーブルの火災が起きました。放射線管理区域内での火災でしたが、放射性物質の漏洩などはありませんでした。

また、同日2/8に茨城の原子力発電所の監視所内(放射線管理区域外)では、電気ストーブの電源コードに焦げ跡が見つかり、消防が火災と判断しました。

2/13には同じく茨城の原子力施設の検査を行う組織の休憩施設(放射線管理区域外)で、ヒータ使用中に延長コードのプラグが焦げ、こちらも消防が火災と判断しました。

原子力関連の施設で立て続けに起きたケーブルの火災。特に安全には気を配ってほしい場所であるため、小規模な火災であってもその情報は注目されがちです。

ところで、この3件の火災のうち、2件は電気ストーブやヒータなどの暖房器具使用中の電源コードや延長コードのプラグなどの火災であり、施設特有の設備等の火災ではありません。そこに着目すると、私たちの身の回りで起きてもおかしくない火災であると考えられます。

このような事故の情報を耳にしたら、我が家でも起きる可能性があると考えて、電源ケーブルのチェックや周囲のほこりの掃除などをして気をつけたいものです。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子