RISCAD Update 2023年2月第3週【週刊化学災害ニュース】

2023/02/10 12:00 – 2023/02/17 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年02月22日 10時00分



*2023/02/10発生の、北海道・牧場の牛舎で火災

:牛舎1棟が全焼し、中で飼育されていた子牛69頭が焼死。牛舎内にあった暖房器具付近の燃え方が激しかった

*2023/02/12発生の、京都・塗装工場で漏洩したLPガスに着火して火災

:工場のガス警報器が鳴動したため、従業員が工場内の換気を行ったが十分ではなく、塗装用機械に着火しようとした火で残留していたLPガスに着火した可能性。従業員1名の着衣が燃え、やけどで負傷した

*2023/02/13発生の、東京・ビルの解体工事現場で変電盤が短絡

:撤去のため掘り起こした送電設備の配電盤の配線を切断した際に短絡が起きた可能性。周辺の住宅や店舗など約730軒が停電した

*2023/02/14発生の、愛媛・化学工場でポンプの保守作業中にアンモニアが漏洩

:アンモニア貯蔵タンクに繋がるポンプの保守点検作業中に、ポンプ内に残留していたアンモニアが気化して漏洩した可能性。漏洩は約30分で収束した

*2023/02/15発生の、北海道・木材加工工場でヒータから火災

:工場内で飼育している猫のために使用していた電熱ヒータから出火した可能性。工場では原木の切断や乾燥などを行っており、木材などが保管されていた

*2023/02/16発生の、北海道・製紙工場の電気室でアンモニアが漏洩

:電気室での作業中に何かの原因でアンモニアが漏洩した可能性。作業中の作業員7名が目のかすみなどの体調不良となり、うち3名が病院に搬送されたが全員軽症であった


2/10、九州南部・奄美地方で2023年で最も早い「春一番」が吹いたと発表がありました。それから約1週間、2/18夜から2/19未明にかけては九州北部地方(山口県を含む)で、同2/19には四国地方で「春一番」が吹いたとのことです。

気象庁では「春一番」について、「立春から春分までの間に、広い範囲(地方予報区くらい)で初めて吹く、暖かく(やや)強い南よりの風」としています。
(*北海道と東北、沖縄では春一番の発表はありません)

ここで使用されている「立春」と「春分」はともに二十四節気という暦のうちのひとつの期間ですが、2/19からは「春分」の次の期間である「雨水」に入りました。

今後、二十四節気は「雨水」(現在)→「啓蟄」→「春分」と移り変わって行きます。

さて、その「雨水」ですが、昔から農耕の準備を始める目安とされてきたそうです。そして例年、この頃からは農耕のための野焼きの火による火災が多くなります。

農耕のための野焼きとは、農作物残渣や枯草を燃やすことを意味します。乾燥しきった農作物残渣や枯草はとても燃えやすくなっていますが、同様にその周囲の草木も同様に乾燥して燃えやすくなっているため、野焼きの火が意図しない範囲に延焼してしまい、林野などの大規模な火災に発展したり、死者が出たりするケースもあります。

農耕のための野焼きをされる際には、現場から目を離さず、いざという時のために水を用意しておくなど、十分な準備をすることが大事です。

なお、農耕のための野焼きであっても、自治体等により禁止されている場合があります。野焼きを行う前に、まずは田畑のある自治体の条例等を確認しましょう。

【参考情報】

気象庁
  気象庁が天気予報等で用いる予報用語
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さんぽニュース編集員 伊藤貴子