RISCAD Update 2023年9月第4週【週刊化学災害ニュース】
2023/9/22 12:00 – 2023/9/29 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年10月4日 10時00分
:タンクローリは窒素タンクを積載しており、二硫化炭素充塡のための検査中であったが、手順を守らずに充塡が開始されたことで爆発した可能性。2名が死亡し、6名が重傷、2名が行方不明
:火元の部屋の住民が、カセットこんろの上にプレートを乗せて焼肉を調理中に、カセットこんろ用ガスボンベが加熱されて破裂し、漏洩した可燃性ガスに着火した可能性。火元の部屋の住民1名が全身やけどで中等症。アパートに入居していた1世帯の住民2名が避難中に転倒して軽傷
:店内で店長がカセットこんろ用ガスボンベ1本のガス抜きをした際に、ボンベから漏洩したLPガスに、麺を茹でる機械の種火で着火した可能性。客1名と店員1名がガラスの破片で手を切るなどして軽傷
:結婚式で打揚げた煙火で建屋に着火した可能性。また、建屋が安全基準に違反して燃えやすい素材でできており、急速に燃拡がった可能性。結婚式の参加者113名が死亡し、150名以上が負傷
:岩盤への穿孔のための発破作業で、想定より大きな爆風が発生して飛石が発生した可能性。飛石が当たった作業員1名が、意識がはっきりしない状態となりドクターヘリで病院に搬送された
:フッ化水素酸を工場内に供給するポンプの取替工事中に、何かの原因でフッ化水素酸約10mLが飛散した可能性。従業員2名が飛散したフッ化水素酸を浴び、顔にやけどで軽傷
9/22に台湾のゴルフボール工場で起きた爆発、火災事故の続報が入りました。爆発の原因は、工場内に保管されていた引火性の物質であった可能性があるそうです。
先週お知らせした概要は以下のとおりです。
9/22 台湾・ゴルフボール工場で火災、爆発
台湾・屏東県のゴルフボール工場で火災、爆発が起きた。火災の通報で消防が出動し、消防士が消火や取り残された人の救助のために同工場内に入ろうとした際に爆発が起き、同工場の建屋が倒壊した。また、その約20分後にも爆発が起きた。消防が約28時間後に鎮火した。消防士4名と同工場の従業員5名の計9名が死亡し、従業員1名が行方不明となった。消防関係者や従業員ら110名が負傷した。当局の調べでは、同工場ではゴルフボールを製造しており、原料として塗料やゴムなどを大量に保管していた。
工場は、規定の30倍にあたる約3tもの注水消火ができない有機過酸化物を保管していたことや、工場の構造に問題があったこと、救助活動などに必要な情報をすぐに提供しなかったことなど、複数の法令違反があり、当局はそれに対し合計240万台湾元(約1,100万円)の罰金を科すと発表したとのことです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子