RISCAD Update 2024年4月第1週【週刊化学災害ニュース】

2024/3/29 12:00 – 2024/4/4 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2024年4月10日 10時00分



*2024/3/20発生の、大阪・万博会場の建設現場で溶接作業中にメタンガス爆発、火災

:地中の廃棄物などから発生したメタンガスなどの可燃性ガスが地面と床の隙間にある配管ピット内に滞留し、溶接作業で出た火花で着火した可能性。コンクリート製の同トイレの床約100平方mが破損

*2024/3/22発生の、島根・米の乾燥、保管倉庫で火災

:倉庫は建設会社の所有で、収穫した米の乾燥に使用されていた。倉庫の壁や米の乾燥機、選別機、冷蔵庫など計約330平方mが焼けた

*2024/3/22発生の、福島・高速道路で発炎筒の火で山火事

:現場付近で交通事故が起き、事故の当事者が使用した発炎筒の火で法面の枯草に着火した可能性。山林に延焼した火が山頂付近まで燃拡がったため、鎮火に時間を要し、約20時間後に鎮火

*2024/3/27発生の、広島・自動車販売店で車両の解体作業中にガソリンに着火

:廃車する車の解体のため、車両からガソリンを抜取る作業中に、解体作業で出た火花でガソリンに着火した可能性。中古車や廃タイヤなどが焼けた

*2024/3/27発生の、北海道・警察署の屋上の機械室で制御盤の火災

:エレベータの機械室の制御盤から出火した可能性

*2024/3/27発生の、栃木・フィルタ工場で乾燥炉の火災

:乾燥炉の設定温度が高かった可能性。乾燥炉内の床約2平方mと工業用フィルタ約10枚が焼けた



上記、3/20発生の大阪の万博会場の建設現場でのメタンガス爆発事故ですが、会場となる夢洲(ゆめしま)は埋立地で、かつてはごみや残土などの廃棄物処分場として利用されていた場所でした。

そのため、地中の廃棄物などからメタンガスなどの可燃性ガスが発生することは考慮されており、工事にあたっては、地下に滞留する可燃性ガスを配管を通じて大気中に排出し、ガスの濃度測定を行っていたそうです。

ところが今回、地面と床の隙間にある配管ピット内に滞留したメタンガスなどに、溶接作業で出た火花で着火したことで爆発事故が起きたとのことです。

工事が完了して万博の会場として使用される場合にも、この事故が起きたときと同様にメタンガスなどの可燃性ガスが滞留することがあるとすれば、火気の使用を避けないと爆発や火災などの事故の危険が生じる可能性があります。

事故が起きないよう、しっかりとした対策が必要だと考えます。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子