RISCAD Update 2025年5月第3週【週刊化学災害ニュース】
2025/5/14 12:00 – 2025/5/2112:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2025年5月20日 16時30分
2025/5/17発生の、大阪・製油所で定期修理中に硫化水素を含有するガスが漏洩
製油所のガスタービン発電所で定期修理中に硫化水素を含有するガスの漏洩が起きた。漏洩したガスを吸った作業員3名が倒れたため,同製油所の従業員が消防に通報した。漏洩は約30分後に停止した。倒れた作業員3名は病院に搬送されたが,1名が死亡,1名が意識不明の重体となり,もう1名が手当を受けた。警察と消防の調べでは,同製油所は2年に1度の定期修理中で,作業員数名が,石油精製の過程で排出された余剰なガスを利用して発電する装置の点検を行っていた。点検のためにガスを止め,配管の接合部を取外した際に,内部に残留していた硫化水素を含有するガスが漏洩した可能性がある。
2025/5/17発生の、韓国・タイヤ工場で火災
韓国・光州市のタイヤ工場で火災が起きた。従業員が初期消火を行ったが,火災は隣の建物に延焼した。国家消防動員令が発令され,消防が消火活動を行い,約76時間後に鎮火したが,工場の約65%が焼けた。周辺の住居や車両に煤煙や粉塵の被害があった。避難中の従業員1名が転倒による骨折で重傷,消火活動中の消防隊員2名が負傷した。周辺住民からの被害の届出約1,200件のうち,約600件は健康被害の届出であった。従業員約400名が工場から避難し,周辺の約100世帯,約180名が付近の大学の体育館に避難した。当局の調べでは,生ゴムと化学物質を混合する工程で,生ゴムの精製用の加熱装置から出た火花が着火源の可能性がある。生ゴム約20tなどの可燃物が保管されていたため,消火活動が難航した。
さんぽのひろば編集室