RISCAD Update 2025年7月第2週【週刊化学災害ニュース】
2025/7/2 12:00 – 2025/7/9 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2025年7月16日 14時30分
更新日:2025年7月23日 15時05分
2025/7/2発生 神奈川:核燃料製造施設で微量のウランを含む廃棄物の乾燥中に火災
核燃料製造施設の廃棄物処理室で廃棄物汚泥の乾燥中に乾燥機内で火災が起きた。従業員が乾燥機から煙の臭いを確認し,消防に通報した。従業員が初期消火を行い,約4時間後に鎮火した。放射性物質の漏洩はなかった。けが人や被曝はなかった。同社の調べでは,微量のウランを含む汚泥の廃棄物約40kgを乾燥中に廃棄物に含まれていた油分が発火した可能性がある。1982年から廃棄物を保管していたドラム缶の老朽化に伴う詰替作業中であった。
2025/7/3発生 神奈川:屋内ゲレンデ施設で排気ファン故障による一酸化炭素中毒
屋内ゲレンデ施設で排気ファンの故障による一酸化炭素中毒が起きた。従業員が消防に通報した。利用客2名と従業員2名の計4名が頭痛などの体調不良で病院に搬送されたが,いずれも軽症であった。消防の調べでは,6/28と7/2にも複数の利用客が体調不良となり,一酸化炭素濃度を測定したところ,長時間の曝露で健康に影響を及ぼす濃度が検出された。警察の調べでは,ゲレンデ内の排気ファンが故障しており,ゲレンデの整備車両から排出された一酸化炭素が屋内に滞留した可能性がある。
2025/7/4発生 イタリア:イタリアのガソリンスタンドでLPガスの爆発
イタリア・ローマのガソリンスタンドでLPガスの爆発,火災が起きた。約3時間後に消火したが,破片が約300mの範囲に飛散して,ガソリンスタンドが全焼し,近隣の窓ガラスが割れるなどした。警察官12名と消防隊員6名,近隣住民や通行人を含む45名が負傷し,うち2名が重度のやけどを負った。当局の調べでは,LPガスをタンクローリからガソリンスタンドのタンクに充塡中にガス漏れが起き,警察官と消防隊員が対応中に爆発が起きて,火災となった可能性がある。
2025/7/9発生 和歌山:化学工場で排気用の接触燃焼式脱臭装置が爆発
化学工場で排気用装置の爆発が起きた。縦約1m,横約50cm,重さ約7kgの鋼製の破片が飛び,同工場から約100m地点の住宅2棟の屋根やエアコンの室外機に当たり,破損した。同工場は稼働中であったが,けが人はなかった。警察と消防の調べでは,同装置は,同工場内で出た引火性の気体を分解して排気するための接触燃焼式脱臭装置であった。作業上のヒューマンエラーで高濃度のガスが同装置に排気され,ファン内部の静電気で着火した可能性がある。同工場から消防への通報は事故発生から約10時間後であった。
2025/7/9発生 埼玉:大学でアセチレンと酸素の混合ガスのボンベを調整中に爆発
大学工学部の研究実験棟脇の屋外に置かれていたアセチレンと酸素の混合ガスのボンベの調整中に爆発が起きた。教員が消防に通報した。向かい側の校舎のガラスが割れるなどした。ボンベの調整をしていた教員1名が頭部や腕を負傷して病院に搬送された。また,他に学生1名が爆風を受けて体調不良となった。警察の調べでは,大学教員が研究実験棟脇の屋外ボンベ置場に置かれていた長さ約60cm,直径約25cmのアセチレンと酸素の混合ガスのボンベを調整中に何かの原因で爆発した。
さんぽのひろば編集室