RISCAD Update 2019年2月第4週【週刊化学災害ニュース】

2019/02/22 12:00 - 2019/03/01 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2019年03月06日 10時00分

*2019/02/24発生の、青森・ストッキング工場でボイラ付属機器が破裂
:ボイラで発生した水蒸気から余剰な水分を取り除き、エネルギー効率を高める装置が何かの原因で破裂した可能性

*2019/02/25発生の、東京・線路の高架橋工事中に送電ケーブルの火災
:列車の運行に大幅な乱れが出て、約28万名に影響が出た。工事中の部材切削により出た火花が防火用シートに残り、その火で資機材やケーブルに着火した可能性

*2019/02/25発生の、福岡・新幹線の車両基地で火災
:機械室のダクトを解体中に出た火花で断熱材に着火した可能性

*2019/02/27発生の、三重・廃止済みの発電所で変圧器解体作業中に火
:変圧器を油圧カッタで切断して解体中に何かの原因で出火した可能性

昨年11月に兵庫県で起きた、埋設された都市ガス管の交換工事中のガス爆発について、2/29に、請負業者と同社社長が労働安全衛生法違反の疑いで労働基準監督署から書類送検されました。

この事故は、地下に埋設された都市ガス管の交換工事中に、通ガス確認のためにガス管のキャップを緩めていた近くで、電動ノコギリでガス管を切断する作業が行われており、漏洩したガスに電動ノコギリの火花で着火した可能性があるとみられています。そして、作業員3名がやけどを負い、うち1名が重体、1名が重傷、1名が軽傷を追いました。

この軽傷を負った1名は同社の社長で、危険防止措置を怠った容疑を認めているとのことで、他の2名がベテランの作業員であったから危険性の指摘を行わずに任せていたようです。当然ですが、ベテランだからとって、可燃性ガスと火気が混じる危険を魔法のように取り去る技を持っているわけではありません。

この事故の場合、通ガス時に近くに火気がないかという、基本中の基本の確認をしっかり行うということが省略、または黙殺されてしまった可能性があります。ベテランであれ新人であれ、安全に対する意識は常に持つことが大事であると考えさせられる事故です。

事故により重体、重傷を負った2名の作業員は未だ職場復帰できていないとのことです。少しでも早く回復されることを祈るばかりです。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子