RISCAD Update 2020年4月第4週【週刊化学災害ニュース】
2020/04/17 12:00– 2020/04/24 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年04月29日 10時00分
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*2020/04/10発生の、沖縄・米軍基地の格納庫からPFOSを含む泡消火剤が流出
:有害物質のペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(PFOS)を含む約23万Lの泡消火剤の漏洩。約14万Lが基地外の住宅地や河川などに流出した。流出した消火剤は水で希釈されていたが、成分のPFOSは、慢性毒性を有する化学物質として、化審法の第一種特定化学物質に指定されている
*2020/04/15発生の、愛知・化学工場の硫酸製造設備で二酸化硫黄が漏洩
:二酸化硫黄の漏洩は約1時間後に止められた。近隣の会社の従業員4名がガスを吸入して病院に搬送されたが、軽症であった
*2020/04/15発生の、兵庫・消防車両整備工場で消火溶液が漏洩
:消防車両の保守、点検などを行う工場での事故。噴射試験後の泡消火剤用の消火溶液約2,000Lが入ったタンクを溶液処理場への運搬中に、誤って重機から落下させ、タンクが破損して消火溶液が漏洩した。消火溶液は使用時に約1/10の濃度に希釈されており、環境や生態系への影響はないとみられる
*2020/04/19発生の、静岡・消防署の食堂で電気炊飯器の火災
:消防署の食堂で、朝食用の炊飯のため前夜からタイマがセットされていた電気炊飯器の火災。本来釜内に敷き米飯の焦付きを防止するための炊飯シートが炊飯器内の釜とヒータの間に敷かれており、炊飯器のスイッチが入ったことで、ヒータの熱で炊飯シートに着火した可能性
*2020/04/21発生の、中国・化学工場で爆発
:中国の炭化ケイ素製造プラントでの爆発、火災事故。3度の爆発が起きた。同工場には労働者8名がいたが、当局の発表によると、死傷者はなかったとのこと
この「慢性毒性」とはどういうことなのか、単なる「毒性」とは何が違うのか、その意味を調べてみました。
まず、毒性は、慢性毒性と急性毒性に分かれるそうです。慢性毒性は、人や動物が長期間にわたって物質などの摂取や曝露をした場合に徐々に生じる毒性のことで、急性毒性は物質などの摂取や曝露を1度受けたときに生じる毒性のことだそうです。
噛み砕いていうと、慢性毒性は、物質への接触等が長年続くことで健康を蝕むような毒性ということでしょうか。
流出した泡消火剤が適切な処置をもって、人体、環境に影響が出ることのないよう回収されることを願います。
