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RISCAD Update 2022年5月第2週【週刊化学災害ニュース】
2022/05/06 12:00– 2022/05/13 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年05月18日 10時00分
*2022/05/06発生の、キューバ・改装中のホテルで天然ガスの爆発
:天然ガスをタンクローリからホテルに移す作業中にガスが漏洩して着火した可能性。ホテルは改装中で宿泊客はいなかったが、従業員や観光客などを含む46名が死亡し、多数が負傷した
*2022/05/06発生の、韓国・工場で液化窒素タンクが破裂
:金型の熱処理過程で急速冷却作業に使用されていた約3.5tの液化窒素タンクが破裂。労働者6名が軽傷
*2022/05/06発生の、神奈川・リサイクル工場でタイヤ破砕機の火災
:廃タイヤのリサイクルを行っている工場での火災。タイヤの処理中に破砕機から出火した可能性
*2022/05/08発生の、宮城・製油所のタンクから硫黄が漏洩
:石油製品の製造過程で回収された硫黄を一時的に貯蔵するタンクからの液体の硫黄の漏洩。社員らが約15分後に漏洩を止めた
*2022/05/09発生の、松江・造船所の廃材置場で廃タイヤの火災
:出火時、従業員がガス切断機を使用して、廃タイヤのワイヤなどの金属部品の切離し作業をしていた。タイヤは船や港の岸壁で緩衝材として使用されたものであった
*2022/05/11発生の、茨城・酒造会社でボイラから火災
:酒の火入に使用する湯を温めている際に、ボイラ室のボイラから出火して酒蔵に延焼した可能性。木造2階建ての家屋と国の有形文化財の酒蔵2棟が全焼
5/7に秋田県で以下のような火災が発生しました。
この事故事例で注目したいのは「自動車用発炎筒」です。正式名称は「自動車用緊急保安炎筒」で、火薬類取締法では「がん具煙火」に分類されます。道路運送車両の保安基準(第43条の2)で、非常時に緊急事態を知らせるための緊急保安炎筒などの非常信号用具の自動車への装備が義務付けられているので、運転される方は見たことがある方が多いのではないでしょうか。
主な用途は、自動車での道路走行時、緊急事態などで止むを得ず停車した際に後続車に自車の存在を知らせることで、着火すると非常に明るい光と炎が上がります。
この事故事例のように、蜂の駆除に使用するのは本来の用途外です。炎が上がるということからもわかるように、可燃物がそばにあれば着火する可能性があります。
ところで、「発炎筒」と混同されがちなもので「発煙筒」があります。読みがなはいずれも「はつえんとう」ですが、漢字にすれば字のごとしで、「発炎筒」は炎が出る筒、「発煙筒」は煙が出る筒です。
明らかに「自動車用発炎筒」の解説をしているサイトなどでも「発煙筒」と記載されているのを多く目にします。それくらい名前が混同されやすいのです。
その「発煙筒」からは光と炎ではなく、大量の煙が発生します。防災訓練や撮影、イベント等の演出で煙幕を発生させる必要があるときに使用されることが多いようです。
「発炎筒」と「発煙筒」は製品の見た目が違うので、自動車に誤って「発煙筒」を装備することはまずないと思いますが、名称自体も間違いなく使用したいものです。
5/7 秋田・蜂の駆除に発炎筒を使用して枯草の火災
蜂の駆除に発炎筒を使用して枯草の火災が起きた。消防車5台が約30分後に消火したが、枯草約43平方mが焼けた。けが人はなかった。警察と消防の調べでは、蜂を追い払うため、自動車用発炎筒に着火して投入れ、周囲の枯草に延焼した可能性がある。
この事故事例で注目したいのは「自動車用発炎筒」です。正式名称は「自動車用緊急保安炎筒」で、火薬類取締法では「がん具煙火」に分類されます。道路運送車両の保安基準(第43条の2)で、非常時に緊急事態を知らせるための緊急保安炎筒などの非常信号用具の自動車への装備が義務付けられているので、運転される方は見たことがある方が多いのではないでしょうか。
主な用途は、自動車での道路走行時、緊急事態などで止むを得ず停車した際に後続車に自車の存在を知らせることで、着火すると非常に明るい光と炎が上がります。
この事故事例のように、蜂の駆除に使用するのは本来の用途外です。炎が上がるということからもわかるように、可燃物がそばにあれば着火する可能性があります。
ところで、「発炎筒」と混同されがちなもので「発煙筒」があります。読みがなはいずれも「はつえんとう」ですが、漢字にすれば字のごとしで、「発炎筒」は炎が出る筒、「発煙筒」は煙が出る筒です。
明らかに「自動車用発炎筒」の解説をしているサイトなどでも「発煙筒」と記載されているのを多く目にします。それくらい名前が混同されやすいのです。
その「発煙筒」からは光と炎ではなく、大量の煙が発生します。防災訓練や撮影、イベント等の演出で煙幕を発生させる必要があるときに使用されることが多いようです。
「発炎筒」と「発煙筒」は製品の見た目が違うので、自動車に誤って「発煙筒」を装備することはまずないと思いますが、名称自体も間違いなく使用したいものです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子