RISCAD Update 2022年6月第3週【週刊化学災害ニュース】
2022/06/09 12:00– 2022/06/17 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年06月22日 10時00分
:作業車には路面を熱風で乾燥させる装置があり、ヒータから出火してヒータの燃料の灯油に着火した可能性
:ケーキ生産ラインのオーブン室での火災。ケーキ生産ラインの一部の稼働が停止した
:倉庫の解体作業中に何かの原因で出火した可能性。倉庫が全焼し、敷地内のプラスチックの廃材などが焼けた
:何かの原因でタンクから漏洩したアンモニアが爆発した可能性。工場の労働者など133名が負傷して病院に搬送されたが軽傷
:倉庫1棟と敷地内の複数の建物など計1,000平方mが焼けた。敷地内には消防法危険物を扱う施設が複数あったが、延焼はなし。出火時、人工甘味料の製造作業をしていた
:駐車場に駐車中のトラック荷台からボディソープ原液約900Lの容器が落下して破損。ボディソープ原液が漏洩して、側溝から河川に流出した。運送業者がトラックの荷台からのボディソープ原液の漏洩に気づき、確認のため荷台を開けた際に容器が落下して破損し、漏洩量が増加した可能性
2022/6/7 山梨・ガソリンを積載したタンクローリの火災
国道でレギュラーガソリン約8,000Lを積載したタンクローリの火災が起きた。消防が約40分後に消火したが、同タンクローリが焼けた。けが人はなかった。近隣住民に避難が呼びかけられた。警察と消防の調べでは、走行中のタンクローリの左後輪部分から出火し、タンクに延焼した可能性がある。また、同タンクにはガソリン約8,000Lが入っていたが、タンク部分は7つに仕切られており、荷卸し後の空のタンク部分に延焼した可能性がある。運送会社では、同タンクローリに対する法定点検を行っており、出火当日の出庫前点検時にも問題はなかった。
海外では、燃料を積載したタンクローリの横転などによる爆発事故が度々発生しています。その際、多数の死傷者が出るケースが少なくありません。人的被害拡大の原因となるのは、タンクから漏洩した燃料を集めるために、住民らが容器を手に事故現場に集まってくることです。人々が集まってきたところで、何かの原因で燃料に着火したり、集まった人のうちの誰かがたばこを吸うなどしたことで燃料に着火したりと、横転時に爆発が起きていなくても、その後に爆発が起きて被害が拡大することがあるのです。
今回の事故は、タンクローリが横転したわけではなく、タンクからのガソリンの漏洩もありませんでした。
しかし、現場は国道沿いの、コンビニエンスストアや住宅がある場所とのこと…。もし延焼したのが荷卸し後の空になったタンクでなかったら…と考えると、本当に間一髪のところで大事故を免れたといえるのではないでしょうか。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子