消火器の絡む「火災ではない」事故【注目の化学災害ニュース】2018年4月のニュースから RISCAD CloseUP

投稿日:2018年05月10日 15時00分

2018年4月のニュースファイルから、さんぽチームで活発に議論がされた内容をご紹介いたします。
4月半ばに、2009年に起きた消火器の破裂事故の続報(訴訟結果)のニュースが入ってきました。今回は消火器の絡む「火災ではない」事故にClose UPです。

4月半ばに、2009年に起きた消火器の破裂事故の被害者が国や製造企業団体などに損害賠償を求めた訴訟について、大阪地裁が原告の請求を棄却したというニュースが入ってきました。

2009/09/15 駐車場に放置された消火器が破裂

消火器が火災ではないキーワードで事故に絡んでくることもあるんですね。

消火器の破裂の事故は意外と起きています。死者が出た事故もあります。
「消火器」というと単に火を消す薬剤が入ったものと思いがちですが、実は耐圧の本体容器内部の消火薬剤を加圧用ガスの圧力によって放射する仕組みです。

消火器は使い慣れてはいないものの、見慣れたものではあったので、その仕組みをよく考えてみたことはありませんが、なるほど、あれは耐圧の容器なのですね。
RISCADで過去の消火器の破裂事故を検索してみました。
1989/06/27 消火器切断中における容器の破裂事故
2001/04/22 消火器使用中の破裂による死亡事故
2009/09/16 住宅で消火器の廃棄中に破裂
2014/05/31 中国で車両用消火器が破裂

他にもネットで「消火器 破裂」で検索をかけてみましたが、確かに多くの事故が起きているようです。

なぜ消火器の破裂事故が起きるのか

消火器はおおむね10年が使用期限とされているのですが、破裂が起きたケースでは、それ以上の年数が経っていたり、保管状況が悪かったりして、消火器の底部が腐食し、消火に使用しようとしたり、廃棄のため薬剤を放射しようとして底部が破裂するといった事故がよく見られます。

使用期限・・・そうですよね、消火器の使用期限、聞いたことはありましたが・・・10年ですか。我が家の消火器は完全に10年オーバーしている気がします。玄関の靴箱に入れてあるので、野ざらし保管のようにひどい状態ではないとは思いますが、気をつけて確認してみます。

同様の事故が起きないためにも、消火器の使用期限の確認、適切な保管(保管状況が適切でないと使用期限内でも操作に支障をきたすことがあります)をし、期限がきたら新しい消火器に取り替えることが大事ですね。また、古くなった消火器はリサイクルもされているようです。

万が一自宅などで容器が腐食した消火器を発見したら、むやみに触るのはとても危険ですね。そのような消火器があれば、特定の引取窓口への引取依頼も可能なようです。身の安全を守るため、触らずに引取依頼をする方がいいですね。以下の情報も参考にしてみてください。

【参考情報】

独立行政法人国民生活センターのサイトより
「くらしの危険-消火器での事故-」

一般社団法人日本消火器工業会のサイトより
「消火器の使用期限」
「消火器の処分方法」
「消火器の処分・リサイクル」

さんぽニュース編集員 伊藤貴子