RISCAD Update – 2017年12月第1週【週刊化学災害ニュース】

2017/12/1 16:00 - 12/8 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2017年12月13日 10時00分

*2017/11/30発生の、埼玉・樹脂工場で原料貯蔵タンクからガスが噴出
:ウレタン樹脂原料の液体貯蔵タンクが何かの原因で高温になり、内部で原料が気化してガスになっていた

*2017/12/1発生の、静岡・インク用樹脂工場で爆発
:樹脂の粉砕過程か袋詰め過程で粉塵爆発が起きた可能性

*2017/12/2発生の、愛知・機械部品工場で焼入油の火災
:機械部品の焼き入れ作業中だった

*2017/12/5発生の、愛知・毛織工場で火災
:ライターで石油ストーブに着火しようとしてほこりや毛糸に着火か

*2017/12/7発生の、千葉・小学校で理科の実験中にアルコールランプが倒れて児童がやけど
:教諭がアルコールランプに着火しようとして誤ってランプを倒した

 先日、仙台市でごみ収集車の火災が相次いだというニュースがありました。原因は大量に廃棄されたライターとのことですが、その背景には喫煙の際にライターを使用してきた喫煙者のとある動向が関係していると推測されています。 ここ数年、喫煙者が紙巻タバコから加熱式タバコに切り替える傾向にあり、その切り替えに伴い不要になったライターを家庭ごみとして出すケースが増えているようです。結果として収集車でごみを破砕する際に様々な原因でライターのガスに着火し、収集車火災につながっている可能性が指摘されています。

ライターの廃棄方法は、自治体によって決められています。ちなみに私の住む茨城県つくば市でのライターの廃棄方法を確認したところ、「火の気のない風通しの良いところでガス抜きをして、『燃やせないごみ』の日に出す」とのことでした。皆さんの住む自治体でのライターの処分方法も確認してみてくださいね。

では、そのライターのガス抜き、一体どうやってするのが正しいのでしょうか?

・周囲に火の気のないことを確認する。
・操作レバーを押し下げる。着火した場合はすぐに吹き消す。
・輪ゴムや粘着力の強いテープで、押し下げたままのレバーを固定する。
・「シュー」という音が聞こえれば、ガスが噴出している(聞こえない場合は炎調整レバーをプラス方向にいっぱいに動かす)。
・この状態のまま付近に火の気の無い、風通しのよい屋外に半日から1日置く。
・念のために着火操作をして、火が着かなければ、ガス抜きは完了です。

※経済産業省「不要なライターの正しい捨て方に係る注意喚起リーフレット」より引用

参考動画:正しくごみに出してください スプレー缶・カセットボンベ・使い捨てライター
(使い捨てライターのガス抜き方法については、3分37秒頃に紹介されています)
※内閣府「政府インターネットテレビ」より引用

さんぽニュース編集員 伊藤貴子