RISCAD Update 2019年2月第2週【週刊化学災害ニュース】
2019/02/08 12:00 - 2019/02/15 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2019年02月20日 10時00分
*2019/02/08発生の、北海道・公務員宿舎の給水管工事中に一酸化炭素中毒
:電動ドリル用に閉め切った場所でガソリン燃料の発電機を使用していた
*2019/02/09発生の、新潟・ガソリンスタンドで販売した灯油の品質異常
:経済産業局の巡回検査で、灯油の引火点が法定基準温度に満たないことが判明
*2019/02/10発生の、神奈川・古紙リサイクル会社の倉庫で火災
:消火までに16時間を要した
*2019/02/13発生の、大阪・カーペット工場の接着剤タンク清掃作業中に硫化水素中毒
:タンク内の接着剤は半年以上使用されておらず、何かの原因で硫化水素が発生した可能性
*2019/02/13発生の、埼玉・産業廃棄物処理施設で火災
:金属リサイクル部品約3,000立方mが燃えた
*2019/02/14発生の、埼玉・樹脂加工工場で粉砕樹脂貯蔵タンクから火災
昨年9月に福井県の繊維工場で機械の試運転中に起きた火災について、企業から出火原因の報告がありました。また、火災の被害がなかった別のナイロン原糸製造設備がある工場を3月末に再稼働予定とのことです。
当初の情報によると、同工場では、台風の影響で起きた停電の影響で工場の製品の製造が停止し、出火した日は製造再開に向けた機械の試運転をしていたとのことでした。主要製造製品は、自動車用エアバックに使用されるナイロン繊維で、同工場では、5階建ての工場の2階から上で原料の加工を行い、繊維となった製品を、1階にあるナイロン原糸延伸機と巻き取り機で円柱状に巻き取るという工程が行われていました。
原因報告では、1階にあったナイロン原糸延伸機内のローラ部分の配線がショートして火花が発生し、同機械の周りに付着していた原料や油類などに着火した可能性があるとのこと、また、その火が排気ダクトを通じてダクト内の可燃性の堆積物に着火して燃え広がり、被害が拡大した可能性があるとのことでした。この火災では、幸いけが人などは出なかったものの鎮火までに約28時間を要しました。
企業は今後、以下の対策をとり、被災していないナイロン原糸製造設備がある別工場で、3月末からの製造再開を検討しているとのことです。
・配線部でショートが起きた際に電源を遮断する装置の設置
・油剤を不燃性のものに変更
・配管素材を不燃性のものに変更
・排気ダクト内を簡易に清掃できるよう改修
・排気ダクト内への炎検知器、自動消火設備の設置
*この事故報告の発表に伴い、上記事故のRISCAD概要も更新いたしました。
