RISCAD Update 2020年1月第4週【週刊化学災害ニュース】

2020/01/17 12:00– 2020/01/24 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年01月29日 10時00分

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*2020/01/14発生の、米国・旅客機が上空で投棄した燃料が小学校運動場に飛散
:離陸直後の旅客機にエンジン不具合が起き、離陸した空港に引き返しての不時着に備え、機体を軽くするために上空でジェット燃料を投棄。燃料は小学校の運動場などに飛散し、児童ら約60名が燃料に触れるなどして皮膚炎や呼吸困難、目のかゆみ、喉の痛みなどで軽症となった

*2020/01/15発生の、滋賀・クリーニング工場のタンクから重油が河川に流出
:工場は休業日で、業者がボイラの点検をしていた。試運転の際にボイラ配管からA重油が漏洩しており、老朽化により同配管が破損した可能性。河川では一時油臭が確認された

*2020/01/16発生の、メキシコ・花火倉庫で爆発
:2名が死亡し、うち1名は病院に搬送された後に死亡、他に1名が重度のやけどで重傷となり、複数が負傷した

*2020/01/17発生の、群馬・ガソリンスタンドでミニローリ車のタンクに軽油補充中に火災
:軽油の配送に使用されているミニローリ車の荷台タンクへの軽油の補充中の火災。従業員がトイレに行くために同車両から離れた際に何かの原因で軽油に着火した可能性

*2020/01/18発生の、岐阜・ポンプ工場で溶接作業中に火災
:工場内では溶接作業をしており、溶接の火花が飛んでポンプの洗浄機に着火した可能性

*2020/01/23発生の、秋田・病院でボイラの不完全燃焼による黒煙発生
:病院の地下1階に設置された2台のボイラのうち1台に不完全燃焼が起きて屋上煙突から大量の黒煙が発生。病院から連絡を受けた施設管理業者がボイラを停止して発煙は止まった

2017年3月に福島県の食品工場で以下の事故が起きました。
2017/3/8 福島・食品工場のオーブン釜でガス爆発
鉄骨平屋建ての食品工場で高さ約2.5m、幅約3m、長さ約6mのオーブン釜でLPガスの爆発が起きた。火災の発生はなかった。同工場の壁が破損して吹飛んだ。釜のそばで作業中であった従業員1名が爆風で建屋外まで吹飛ばされ死亡し、別の従業員1名が軽傷を負った。警察と消防の調べでは、同工場では菓子の製造をしており、通常7-8名が勤務していた。当日朝8時頃、従業員が菓子製造用オーブン釜に点火しようとした際に、ガス臭がしてガス検知器が作動したため、約1時間換気を行い再度点火したところ爆発した。同釜内から漏洩したLPガスに釜の火で着火した可能性がある。
その後の調査で、ガス検知器は事故の約1年半前から故障しており、会社はそれを把握していながら修理をしておらず、従業員にも注意喚起をしていなかったことが判明しました。

裁判所は今月15日、当時の工場長に業務上過失致死と労働安全衛生法違反で禁錮1年2ヶ月および罰金30万円(執行猶予3年)、また、会社には労働安全衛生法違反で罰金50万円の有罪判決を言い渡しました。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子