RISCAD Update 2020年2月第1週【週刊化学災害ニュース】

2020/01/31 12:00– 2020/02/07 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年02月12日 10時00分

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*2020/02/01発生の、大分・めっき工場の工場兼事務所で火災
:めっき加工作業のためガスバーナを使用して固形染料を溶かす作業中の火災。格納容器から漏洩した洗浄用シンナーにガスバーナの火で着火した可能性。同作業をしていた従業員を含め、けが人はなし

*2020/02/01発生の、岐阜・リサイクル工場の作業場で火災
:作業所内でペール缶に木材を入れて燃やし、暖をとりながら廃品の分別作業をしていた。ペール缶の火が周辺の廃棄物に延焼した可能性。従業員1名が全身やけどで重傷

*2020/02/03発生の、福岡・リサイクル工場の資材集積所で火災
:リチウム電池などの廃電池類などが入ったポリエチレン製袋が100袋以上焼けた

*2020/02/04発生の、静岡・金属回収工場で溶接作業中に火災
:溶接作業中の火災。溶接で出た火花が近くにあった麻製の袋などに飛んで着火した可能性。当時、同工場の所在地付近には乾燥注意報が出ており、平均風速5.0m、最大瞬間風速8.1mの西風が吹いていた

*2020/02/06発生の、静岡・産業廃棄物リサイクル工場で火災
:廃プラスチックなどの産業廃棄物のリサイクル工場での火災。工場の壁や機械などが焼けた

* 2020/02/06発生の、群馬・タンクローリが横転して積載燃料が路上に流出
:ガソリン、軽油、灯油の3種類を計18,000L積載したタンクローリが高速道路ランプ付近でガードレールに衝突して横転。ガソリンと軽油計約800Lが流出

今回はいつものこの欄とは雰囲気を変えて、私のドジ話からのヒヤリハットを。

ある夜、私はおつまみに「あさりの酒蒸し」を作ることに決めました。

冷凍しておいたあさりを深めのフライパンに入れて日本酒をたっぷり注ぎ、蓋をして火にかけました。クツクツしてきたところで鍋をゆすり、どれくらい口が開いたかな?と蓋をとり鍋を覗き込みました。すると!

「ボワっ!!」

実際に音がしたかどうかは別として、効果音でいえばこのような感じであったかと思います。

なんと、蓋の密閉性が強かったため(蒸気孔が開いていない蓋で、それなりに重さもある蓋)、鍋の中で気化した日本酒のアルコールが大気中に拡散されず、鍋の中に残っていたのです。そして蓋を開けた瞬間にそのアルコールは一気に鍋の外に拡散し、コンロの火で着火したのです。

要はフランス料理でいうところのフランベのような状況になったわけです。

何の心構えもせずに鍋を覗き込んだところにファイヤーアタックをくらい、「チリチリ」というようなかすかな音を聞き、その後、たんぱく質の焼けた匂いがしました。風呂上がりで髪の毛が濡れていたのは幸いであったのでしょうか、ほんの少し髪の毛とまつ毛が焼けただけで、やけどはせずに済みました。

しかしながら、かなり驚き、しばらくその場で下を向いて落ち込んでいました。抜かりなく調理は続けましたが。

そのあとに完成した「あさりの酒蒸し」を食べましたがほろ苦い味がしました、というのは冗談で、美味しくいただきました。

「酒蒸し」を調理する際に気をつけるべきことを教訓として以下に記します。

教訓1:酒蒸しをする際は、蓋の密閉性に気をつけよ。
教訓2:調理の際のお酒の量はほどほどに。日本酒をたくさん入れたからといって、酒蒸しがその分美味しくなるわけではない。


みなさんもお気をつけください。

別日に調理したホンビノス貝の酒蒸し。あさりの酒蒸しの際の教訓を生かし、
この際には事故は起きなかった。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子