RISCAD Update 2020年4月第3週【週刊化学災害ニュース】

2020/04/10 12:00– 2020/04/17 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年04月22日 10時00分

(現在、RISCADはリニューアルのため公開停止中です)


*2020/04/11発生の、中国・造船所で軍用艦の整備中に火災
:電気工事の際の作業ミスか、溶接火花が原因の可能性。同艦は2019/9に進水後、試験航海に向け整備中であった

*2020/04/11発生の、福島・運送会社で重機用タイヤに空気注入中に破裂
:直径約1.3mのクレーン車用新品タイヤに空気を注入中のタイヤ破裂事故。タイヤホイールを固定するリングが吹飛び、作業中であった従業員の頭部に当たり死亡

*2020/04/14発生の、静岡・製茶工場のタンクから重油が河川に流出
:タンクのバルブが緩んでいた可能性。河川に重油が流出したため、吸着マットなどが設置された

*2020/04/14発生の、愛媛・タオル工場で火災
:約1時間半後に消火されたが、作業場の一部が焼けた。作業場には従業員2名がおり、病院に救急搬送されたが、けがはなかった

*2020/04/15発生の、兵庫・織物工場で織機から火災
:木造平屋建ての工場約770平方mが全焼。織機から出火した可能性

*2020/04/17発生の、新潟県・農作業所で育苗作業中に火災
:作業場内では、田植えの準備のため稲の育苗作業中で、種を温めて発芽させるための機械が24時間稼働していた

全国に拡大された「緊急事態宣言」を受け、外出自粛が続く中、この機会に思い切って家の中の掃除や片付けをと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

さてそんな中、以下のようなニュースが聞こえてきました。清掃や片付けをされる際には、くれぐれも気をつけていただければと思います。

先週、一般住宅の風呂場で、タイヤのホイールカバーを洗浄するため、スプレー缶入りの洗浄剤を使用中にガス爆発事故が起きました。この事故では、住人1名が全身やけどで重傷を負いました。風呂場内にスプレー缶の噴出剤の可燃性ガスが充満して着火したとみられます。

また他にも、4月初旬には、台所の流し台でヘアスプレー缶に穴を開けてガス抜き作業中に、近くのガスこんろの火で噴出剤の可燃性ガスに着火した事故や、室内でドライバー工具を用いてカセットコンロ用ガスボンベに穴を開けてガス抜き作業中に、何かの原因で残留ガスに着火した事故などが起きています。

火気厳禁の表示があるスプレー缶入りの洗浄剤、消臭剤、整髪料などを使用する際には火気のそばでは使用しないことはもちろんですが、スプレー缶やカセットコンロ用ガスボンベ廃棄の際にそのガスを抜かなくてはならない場合にも、近くに火気が無い風通しの良い場所で行うというのが基本です。

なお、スプレー缶やカセットコンロ用ガスボンベの廃棄方法は各自治体によりそれぞれ決まりがあり、穴開けはせず中身を使い切って廃棄する決まりになっている自治体も多くあります。あなたのお住いの自治体の廃棄ルールを再度確認してみてください。

家にいる時間が長くなるこの機会に、過去の「さんぽのひろば」に掲載された記事を読み返してみてはいかがでしょうか。

スプレー缶に関連する事故【注目の化学災害ニュース】2018年12月のニュースから RISCAD CloseUP
さんぽニュース編集員 伊藤貴子