RISCAD Update 2020年12月第2週【週刊化学災害ニュース】

2020/12/04 12:00– 2020/12/10 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2020年12月16日 11時00分



*2020/12/03発生の、北海道・牧場の牛舎で暖房器具から火災

:牛舎内で使用されていた暖房器具から出火した可能性。飼育されていた子牛約30頭が死亡

*2020/12/05発生の、大阪・樹脂リサイクル工場で樹脂製廃材の火災

:使用済みの樹脂のリサイクルを行っている工場での火災。約3,300平方mの敷地内に約200-300tの樹脂製廃材が保管されており、その一部が焼け、周辺の林の一部にも延焼した

*2020/12/06発生の、ロシア・花火倉庫で爆発、火災

:新年に打揚げる予定の煙火が保管されている倉庫での火災。倉庫内の電気系統で短絡が起き、煙火に着火して被害が拡大した可能性

*2020/12/06発生の、愛知・介護老人保健施設で掃除機のバッテリから火災

:施設1階の更衣室にあったコードレス掃除機のバッテリから出火した可能性。スプリンクラ設備により消火された

*2020/12/07発生の、愛知・製鉄所の鋼板洗浄ラインで油から火災

:薄い鋼板の油の除去を行う洗浄ラインでの火災。油に着火して設備に延焼した可能性

*2020/12/07発生の、北海道・テント内でバーベキュー中にカセットコンロ用ガスボンベが破裂、爆発

:テント内での炭火を使用したバーベキュー中の事故。カセットコンロ用ガスボンベ1本が炭火で加熱され、内圧が上昇して破裂した可能性


上記、12/7 北海道で発生したテント内でのバーベキュー中のカセットコンロ用ガスボンベの破裂、爆発事故ですが、そのニュースを聞いた時に、とても驚きました。

「テント内で炭火を使用してバーベキューをしていた」

今回の事故は、炭火により加熱されたカセットコンロ用ガスボンベが破裂したことが原因ではありますが、以下の2つの事故が起きても不思議ではない状況であったと思われます。

・炭火がテントに着火した場合に火災が起きる可能性がある*

・十分な換気がされない可能性のある空間での炭火(火気)を使用しての調理等は一酸化炭素中毒が起きる可能性がある

ちなみに、事故は20:00頃に発生しました。当時の現地の気象条件は以下の通りです。

  2020/12/07 20:00 北海道苫小牧市
  気温:-1.0℃、風:西北西1.4m、天候:晴れ
  (出典:気象庁HP

気温-1.0℃のなか、キャンプとはいえ屋外で調理をすることは厳しかったのかもしれませんが、テント内での火気を使用した調理は、先にあげた通り、命を危険にさらす大事故につながることがあります。

新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、密にならずに屋外で行えるレジャーとしてキャンプが流行しているという話をよく耳にします。

便利な道具もたくさんあり、しかもそれらを簡単に手に入れることができる現代。流行に乗り新しい趣味などを始めることは容易ですが、その際には、その危険性についてもきちんと確認しておきたいものです。

*テントの形状、素材等については、詳細な情報は不明です。想定できる範囲として、テントの素材は不燃性でない限り、可燃性であることには変わりがなく、もし難燃性であったとしてもそれは燃えにくいということであり、燃えないというわけではないと考えます。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子