RISCAD Update 2021年7月第2週【週刊化学災害ニュース】

2021/07/02 12:00– 2021/07/09 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2021年07月14日 10時00分



*2021/07/02発生の、ルーマニア・製油所で爆発、火災

:製油所の軽油水素化処理プラントでの爆発、火災。1名が死亡し、5名が負傷

*2021/07/02発生の、メキシコ・海底ガスパイプラインが破裂して火災

:付近の海底油田の掘削施設に繋がるパイプラインが破裂し、ガスが漏洩して火災が発生。消防船3隻による放水や窒素による消火活動が行われ、パイプラインのバルブを閉止して、約5時間後に消火。けが人はなし

*2021/07/05発生の、タイ・樹脂製品工場で爆発、火災

:発泡樹脂などを製造する工場での事故。消防士1名が死亡、少なくとも62名が負傷。工場は約1,600tのスチレンを保管しており、工場から半径1kmの範囲で高濃度のスチレンが検出されたため、当局が周辺住民に避難勧告を出した

*2021/07/06発生の、静岡・小学校のプールで消毒薬誤投入により塩素が発生

:プール消毒当番の教諭が、現在は使用されていない酸性の凝集剤入りのタンクに次亜塩素酸ナトリウムを誤投入したため、化学反応により塩素が発生した可能性。児童や教員、周辺住民に体調不良はなし

*2021/07/06発生の、長野・プリンタトナー工場で粉塵爆発

:トナーを乾燥させる設備で、静電気により粉塵爆発が起きた可能性。工場の一部と機械などが焼けた。けが人はなし

*2021/07/07発生の、秋田・製紙工場で木材チップサイロの火災

:コピー用紙などを製造している工場の、紙の原料の木材チップを運搬するベルトコンベアから出火し、木材チップのサイロに延焼した可能性。サイロなど計4基とベルトコンベアが焼けた。けが人はなし


去る7/4はアメリカ合衆国の独立記念日でした。祝賀のため、アメリカ国内各地で花火が打上げられたようですが、以下のような事故のニュースが聞かれました。
2021/6/30 カリフォルニア州・警察が違法保管の花火の処理中に爆発
住宅で違法所持されていた花火や爆発物を警察が押収し、爆弾処理専用車両内で処理しようとした際に不慮の爆発が起きた可能性。警察官10名を含む17名が負傷し、3名が重傷、14名が軽傷。住宅には約15tの花火や爆発物が違法に保管されており、花火は住人が独立記念日に販売する目的で違法所持していた。
2021/7/4 メリーランド州・独立記念日祝賀用花火の準備中に誤って爆発
花火設営業者の作業員数名が軽傷。花火設置場所の周囲に安全距離を設けて準備中であったため、客などにけが人はなし。同日の市内の花火の打上げは全て中止された。
2021/7/4 オハイオ州・住宅街でトラックに積載された花火が爆発
住宅街で独立記念日を祝う花火を打上げ中に、花火の火でトラックに積載されていた大量の花火に着火。4名が軽傷。
文化によっては、祝賀ムードを盛上げるのには欠かせない花火ですが、扱い方を誤ると大事故につながることがあります。

日本では、主に夏の時期に、祭礼や納涼のために花火が打上げられることが多いですが、今年は昨年に引き続き、多くの花火大会が中止されるとの情報が聞かれます。

しかし、規模は違えど、ご家族で手持ち花火などを楽しむ機会はあるかと思います。その際には、ぜひ事故が起きないようご注意いただき、楽しく遊んでいただきたいと思います。

【関連記事】

さんぽニュース編集員 伊藤貴子