RISCAD Update 2021年10月第5週【週刊化学災害ニュース】

2021/10/22 12:00– 2021/10/29 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2021年11月03日 10時00分



*2021/10/21発生の、中国・ビルでガス爆発

:現場周辺では前日の夜にガス管の交換工事が行われ、事故当日の朝、ガス供給を再開した際にガスが漏洩した可能性。3名が重傷、44名が軽傷

*2021/10/25発生の、宮城・養豚場の豚舎で火災

:豚の分娩用の豚舎1棟約720平方mが全焼し、飼育していた豚と子豚計約1,300頭が死んだ。豚舎内でガスと電気を使用したヒータを使用して暖房していた

*2021/10/24発生の、中国・大学の実験室で粉塵爆発

:航空や宇宙関係の開発研究が行われている大学での事故。実験室では金属粉を扱う実験が行われており、金属粉塵に着火した可能性。2名が死亡、9名が負傷

*2021/10/24発生の、北海道・海岸のテント内で一酸化炭素中毒

:釣りのためテント内で宿泊し、暖をとるためにガスバーナを使用したまま就寝し、換気不足によりテント内に一酸化炭素が充満した可能性。テント内に単独で宿泊していた1名が一酸化炭素中毒で死亡

*2021/10/25発生の、神奈川・什器工場で粉体塗装中に火災

:店舗の陳列棚などを製造する工場での火災。スチール製什器や棚板の塗装ラインでの粉体塗装の吹付け作業中に、粉塵回収タンクから出火した可能性

*2021/10/25発生の、鳥取・高速道路のパーキングエリアに駐車中のトラックからジメチルホルムアミド(DMF)が漏洩

:トラックの運転手が、高速道路パーキングエリアに車両を駐車中に漏洩を発見して消防に通報。警察と消防がDMFの回収を行った。パーキングエリアが約9時間半にわたり立入規制された


ここのところ中国で爆発事故が多く発生しています。

今回お知らせした10/21の遼寧省でのビルのガス爆発事故をはじめ、10/24の江蘇省での大学の研究室での粉塵爆発など事故のニュースが数件飛び込んできました。

上記でお知らせできなかった他の事故事例を以下に記載します。
10/22 内モンゴル自治区・化学工場で爆発、火災
工場では、農薬や化学工業品とその原料などを製造しており、酸化工程を行う作業場で爆発が起きた可能性。4名が死亡し、3名が重傷

10/24 遼寧省・団地でガス爆発
団地の一部が崩壊し、周辺に瓦礫が飛散。2名が死亡し、7名が負傷

10/25 浙江省・修理中のタンクローリが爆発、火災
空地でタンクローリのタンクの切断作業中に爆発が起きた可能性。2名が死亡

10/26 山東省・化学工場でブタジエンが漏洩して爆発
工場内の設備のバルブの故障が原因で漏洩したブタジエンに着火した可能性。中央制御室にいた従業員が異常に気づき、従業員らを避難させた。1名が負傷
「さんぽのひろば」、「RISCAD」で全ての事故をキャッチできているわけではありませんが、中国広しといえど、このように立続けに爆発事故が起きるのは珍しいと感じました。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子