産総研:安全科学研究部門サイト > さんぽのひろば|産業保安ポータルサイト| 産業保安に関する情報をお届けします > RISCAD News 化学災害ニュース > RISCAD Update 週刊化学災害ニュース > RISCAD Update 2021年11月第2週【週刊化学災害ニュース】
RISCAD Update 2021年11月第2週【週刊化学災害ニュース】
2021/11/05 12:00– 2021/11/12 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2021年11月17日 10時00分
*2021/11/05発生の、シエラレオネ共和国・交通事故で漏洩したタンクローリの積荷の燃料が爆発
:タンクローリと別の車両の交通事故が原因で、タンクローリのタンクが破損し、漏洩した積荷の燃料に着火した可能性。漏洩した燃料を回収するため、事故現場周辺にいた人々が集まって爆発に巻き込まれ、100名が死亡し、100名以上が負傷
*2021/11/05発生の、兵庫・中学校で理科の実験の片付け作業中に塩素ガスを吸入して体調不良
:塩酸を電気分解して発生した塩素の臭いを確かめる実験の後片付け中の生徒の体調不良。生徒が流しに電気分解後の液体を流した際に、塩素ガスを吸入した可能性。7名が体調不良で病院に搬送されたが、全員軽症
*2021/11/06発生の、徳島・自動車解体作業場で廃車の火災
:作業場の屋外に3台ずつ重ねて積まれていた廃車約20台、金属スクラップ塊数10個と、作業場の壁の一部が焼けた。当日17時頃に従業員が帰宅した後、作業場は無人であった
*2021/11/09発生の、栃木・拘置所の洗濯室でガス乾燥機の火災
:衣類用のガス乾燥機の火災。乾燥機本体約0.5平方mが焼けた
*2021/11/10発生の、岐阜・自動車部品工場で火災
:工場約40平方mが焼けた。前日の21時以降、工場は無人であった
*2021/11/10発生の、北海道・牧場の倉庫で牧草ロールの火災
:広さ約1,500平方の倉庫内に保管されていた牧草ロールから出火した可能性。消火までに約29時間を要した
先週、東京で以下の事故が起きました。
その際、酸素濃縮装置中の事故で多くみられるものとして、以下のような事例をあげました。
日本の喫煙人口は減少しているとはいえ、在宅酸素療法中の喫煙関連の事故は多いようです。在宅酸素療法を受けるご本人はもちろん、ご家族なども、周辺での火気の扱いには十分な注意が必要です。
11/8 東京・アパートでたばこの火による酸素吸入装置の火災
2階建てアパートの1階の部屋で酸素吸入装置の火災が起きた。消防が消火したが、同室内が焼けた。住人1名が死亡した。警察と消防の調べでは、死亡した住人は同室に1名で住んでおり、ほぼ寝たきりの状態であった。近くにあった酸素吸入装置が焼けており、付近にたばこの吸殻が落ちていたことから、たばこの火で酸素吸入装置に着火した可能性がある。
類似の事故については、RISCAD CloseUPで「酸素濃縮装置を使用することになったときのために知っておきたいこと」(2021年9月)で記載しています。
2階建てアパートの1階の部屋で酸素吸入装置の火災が起きた。消防が消火したが、同室内が焼けた。住人1名が死亡した。警察と消防の調べでは、死亡した住人は同室に1名で住んでおり、ほぼ寝たきりの状態であった。近くにあった酸素吸入装置が焼けており、付近にたばこの吸殻が落ちていたことから、たばこの火で酸素吸入装置に着火した可能性がある。
その際、酸素濃縮装置中の事故で多くみられるものとして、以下のような事例をあげました。
- 酸素吸入中の患者の喫煙により、酸素濃縮装置のカニューラ(酸素吸入のための管)に、ライターの炎やたばこの火で着火し、やけどを負う、最悪の場合は焼死する
- 酸素吸入の終了後、酸素濃縮装置の電源を切らずにカニューラを放置し、灰皿のタバコの火で着火したことにより火災が起きる
日本の喫煙人口は減少しているとはいえ、在宅酸素療法中の喫煙関連の事故は多いようです。在宅酸素療法を受けるご本人はもちろん、ご家族なども、周辺での火気の扱いには十分な注意が必要です。
【関連記事】
さんぽニュース編集員 伊藤貴子