RISCAD Update 2022年3月第5週【週刊化学災害ニュース】
2022/03/24 12:00– 2022/04/01 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
投稿日:2022年04月06日 10時00分
:木炭の材料となる木材を切断した際に出るおがくずが保管されていた倉庫の火災。倉庫が全焼
:工場内にあった機械の解体作業中、ガスバーナの火花が付近の樹脂製シートなどに飛んで着火した可能性
:豚舎5棟、計約9,000平方mが全焼し、飼育されていた豚約7,700頭が焼死。出火前、豚舎の修繕のため、従業員が豚舎の檻の溶接作業またははんだ付けなどを行っていた。養豚場付近に消防車が給水する場所がなく、消火活動が難航した
:不燃廃棄物にリチウムイオン電池が混入しており、不燃廃棄物を重機で集積場に押込む作業中に、リチウムイオン電池に圧力や衝撃が加わり発火した可能性。自治体では、リチウムイオン電池は廃棄物として出してはいけない決まりになっていた
:熱処理油の油槽タンクでの火災。約900℃に熱した直径約0.4m、長さ約1.5mの船舶用発電機部品の鋼製棒5本を油槽タンク内で熱処理中に油に着火した可能性
:布団やシーツなどの洗浄を行うクリーニング工場での火災。火元の可能性がある3階部分には、乾燥機やシーツなどがあった。工場では2021年5月と10月に、別の建屋の焼却炉で爆発、火災が発生していた
そのうち10月の事故の概要は以下の通りです。
2021/10/13 クリーニング工場のボイラの焼却炉で爆発
クリーニング工場のボイラの焼却炉で爆発が起きた。爆発で開いた扉が従業員1名の頭部に当たって外傷で意識不明の重体となり病院に搬送されたが、のちに死亡した。別の1名が顔面熱傷で病院に搬送された。警察と消防の調べでは、同ボイラは同工場でアイロンがけの機器などの動力として使用されており、廃タイヤを燃料としていた。死傷した従業員が、同焼却炉を稼働させようとした際に、炉内に残留していた可燃性ガスに着火した可能性がある。
しかしながら、その後、クリーニング業者が所轄の労働基準監督署へ事故報告書を提出しなかったとのことで、2022年3月1日、会社と会社の専務が労働安全衛生法違反で那覇地検に書類送検されました。
1年のうちに3回の爆発、火災の事故が起きたクリーニング工場。二度あることは三度あるといった結果になってしまったわけで、その近隣住人の不安はいかばかりでしょうか。
三度の事故からの再建となる今回は、三度目の正直ということで、今度こそ事故のない環境を築いてくれることを願います。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子