RISCAD Update 2022年4月第1週【週刊化学災害ニュース】

2022/04/01 12:00– 2022/04/08 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年04月13日 10時00分



*2022/04/01発生の、熊本・リサイクルセンターで廃材などの火災

:敷地内に置かれていた伐採された木や廃材など約600平方mが焼けた。廃材は木材チップに加工するために置かれていた

*2022/04/02発生の、韓国・造船所で鋼板の切断作業中に爆発

:造船所のパネル工場での爆発事故。吹付作業工程で、ガスを使用した鋼板の切断作業中に何かの原因で爆発が起きた可能性。作業員1名の顔に爆発による飛散物があたり死亡

*2022/04/02発生の、島根・塗装店の倉庫で火災

:シンナーや塗料などが保管されていた倉庫1棟が全焼

*2022/04/04発生の、熊本・青果卸売店の倉庫で火災

:倉庫は以前は選果場として使用されていたが、ここ1年以上は使用しておらず、木材や機械などが保管されていた。出火日の午前中、清掃のために数名が出入りしていた

*2022/04/06発生の、長崎・印刷工場で配電盤から火災

:工場内の配電盤での漏電が原因の可能性。工場1棟約780平方mが全焼

*2022/04/07発生の、新潟・ニット工場で煙突の付け根付近から火災

:火元の工場が焼け、敷地内の隣接する工場と、別のニット製造工場に延焼。煙突の付け根付近から出火した可能性


上記4/7に新潟のニット工場で火災がありました。今回火災が起きたニット生地製造業を含む繊維工業は、かつては国内で盛んな産業でしたが、生産拠点の海外への移動などで、国内での関連工場等の数は減少していると思われます。しかしながら、繊維工業は、私たちの暮らしとは切っても切れない関係にあります。

日本標準産業分類では、「繊維工業」は製造業のひとつに分類され、「繊維工業」はそれぞれの業務内容によって「製糸業、紡績業、化学繊維・ねん糸等製造業」、「織物業」、「ニット生地製造業」、「染色整理業」などに分かれます。

「製糸」、「紡績」、「織布」、「染色」などは耳馴染みがある言葉であり、工程の想像がしやすいかと思いますが、「整理」とは、どのような工程かご存知でしょうか。

繊維工業における「整理」とは、織上がった生地を洗浄して原料に含まれていた不純物や製造工程でついた汚れを取除いたり、生地に様々な処理を行い風合いや機能をもたせたり、生地の形状を整えるなど、いわば生地が完成する前の最終加工を行う工程だそうです。

例えば、毛足が欲しい生地を毛羽立たせ(起毛)、毛羽立たせたくない生地は毛羽を焼き(毛羽焼き)、また、生地をコーティングするなどして防水や撥水の機能を持たせたり、生地に折目をつけるプリーツ加工やシワ加工を施すといったこともこの工程に含まれるそうです。(ここにあげたのは一部の例です)

繊維製品はこのように多くの工程を経て製造されます。私たちが生地、素材そのままの形で手にすることはあまりないかもしれませんが、それらを加工・縫製するなどして製造した衣類やタオル類、リネン類などの製品には毎日お世話になっています。私たちが繊維製品を使用するまでに、どれだけ多くの工程があるのか考えてみるのもいいかもしれません。

 

さんぽニュース編集員 伊藤貴子