RISCAD Update 2022年5月第3週【週刊化学災害ニュース】
2022/05/13 12:00– 2022/05/19 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年05月25日 10時00分
:市の下水道部の職員1名が、マンホール内で倒れてから6日後に低酸素症の可能性で死亡。当日は目視確認のみの予定であったが、死亡した職員は、予定外の検査のためマンホール内に入った可能性。酸素濃度計やガス検知器などの測定機器を準備していなかったため、マンホール内に入る際に空気の計測は行われず、マンホール内の酸素濃度が低かった可能性
:試験管に入った鉄と硫黄の混合物に希塩酸を加え、硫化水素を発生させる実験中の体調不良。生徒1名が体調不良で嘔吐し、10名が体調不良を訴えたが、医療機関で硫化水素中毒ではないと診断された
:メラミン樹脂などを製造する工場で人為的ミスによりタンクが爆発した可能性。6名が死亡、6名が負傷し、うち1名が重傷
:解体作業に使用していたガス切断機から出た火花で、ウレタン製の断熱材に着火した可能性
:作業員4名でビルの地下駐車場の塗装作業中に、駐車場内に滞留した塗料に含有される有機溶剤を吸入した可能性。4名が軽症
:高校総合体育大会の5,000m競歩競技での事故。水のペットボトル2本と消毒用エタノールのペットボトル1本を同じ箱に入れて給水エリアに運び、給水用コップに誤って消毒用エタノールを注いだ可能性。誤飲した選手1名が嘔吐して倒れて競技を棄権し、2名が消毒用エタノールを吐き出して競技を続けた。3名は競技終了後、医療機関を受診し、回復後帰宅
神奈川県の横浜市や横須賀市などの海に面した一部の地域では、2020年半ばごろから、ガスのような異臭がするという通報が度々あり、ニュースになっていました。
神奈川県のサイトでは、「神奈川県で発生している異臭の情報」として、また、横浜市のサイトでは、「令和2年10月以降、市内で発生している異臭について」として、より詳細に公開されています。
リンク先をご覧いただくと、かなりの頻度で異臭の通報があったことが分かります。異臭の検体を回収して分析を行ったところ、ガソリン燃料の蒸発ガスなどに含まれるイソペンタン、ペンタンや、LPG等の燃料などに含まれるプロパン、ブタン、エタンなどが無臭検体や通常の大気中と比べ高い濃度で検出されたことがあったものの、ただちに健康に影響を及ぼすほどの濃度ではありませんでした。そしてその発生原因は不明のままです。
5/8に確認された油膜の原因が海中から湧出た油であったというニュースをみて、もしや、と思ったものの、この異臭との関係は不明です。
いずれにせよ、原因不明の異臭は気分がいいものではないと思いますので、早期に原因が解明されることを願います。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子