RISCAD Update 2022年6月第5週【週刊化学災害ニュース】

2022/06/24 12:00– 2022/07/01 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年07月06日 10時00分



*2022/06/24発生の、岡山・製材会社の乾燥室で火災

:乾燥室約40平方mと木材などが焼けた

*2022/06/26発生の、岐阜・電気機器工場の休憩室で冷蔵庫の火災

:工場の休憩室と廃材置場が焼けた。休憩室内で使用していた古い冷蔵庫の異常加熱が原因の可能性。工場は稼働しておらず、無人であった

*2022/06/27発生の、ヨルダン・港でタンクが落下して塩素が漏洩

:約25tの液化塩素が入ったタンクをクレーンで船に積込作業中、タンクが船の甲板に落下。破損したタンクから塩素が漏洩し、ガスを吸込んだ13名が死亡し、260名が呼吸困難などで負傷

*2022/06/28発生の、岐阜・大学の実験室で実験中に火災

:大学工学部での実験中の火災。ニクロム線を使用してプラスチックの着火実験を行っていた際に、酸素ボンベから供給する酸素の濃度の設定を誤るなどしたため、激しく燃焼した可能性

*2022/06/30発生の、東京・産業廃棄物処理施設で破砕機の火災

:稼働中の産業廃棄物処理施設での火災。自動車などの廃棄物を粉砕する破砕機から出火し、廃材約900立方mとベルトコンベアが焼けた

*2022/06/30発生の、群馬・小学校で実験中にカセットこんろの火でメタノールに着火

:理科の実験中、教員がカセットこんろを点火したままビーカにメタノールを継ぎ足し、カセットこんろの火でメタノールに着火して炎が上がり、児童4名がやけど。うち1名は重傷。教員は本来エタノールを使用すべきところにメタノールを使用し、本来行うべきではない直接加熱を行っていた


上記6/30発生の群馬での小学校での理科の実験中の事故ですが、教員の実験の進め方などに問題があったという報道がありました。

行われていた実験は、アルコールでじゃがいもの葉を脱色してヨウ素液を加え、色の変化で澱粉の確認をするというものでした。

教員が教卓上で、脱色に使用するメタノールを容量1Lのビーカに入れ、カセットこんろで加熱していましたが、メタノールの量が少ないことに気づいた教員が、こんろに点火したままビーカにメタノールを継ぎ足したため、こんろの火でメタノールに着火して炎が上がり、児童4名がやけどを負い、うち1名が重傷となりました。

ここに2つの大きな誤りがありました。

  • エタノールを使用する
      メタノールを使用
  • エタノール(ここで使用していたのはメタノール)は湯煎により加熱する
     ビーカに入れたエタノールを直接カセットこんろで温めていた
実験を行っていたのは、ベテランの教員であったとのこと。本来ならば、子供たちに、今回の実験手順のようなことをすると危険であると教えるべき立場であったと思うのですが、これまで事故が起きなかったからという気持ちで、使用するものや手順を守らず実験を行っていたのでしょうか。

どのような職業であれ、慣れや慣れからのルール違反などが取り返しのつかない事故につながることがあるかもしれないということを改めて心に刻みました。

最後になりましたが、やけどを負った児童の心身の回復を願い、跡などが残らないよう祈るばかりです。

 

 

さんぽニュース編集員 伊藤貴子