RISCAD Update 2022年7月第2週【週刊化学災害ニュース】

2022/07/08 12:00– 2022/07/15 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年07月20日 10時00分



*2022/07/04発生の、静岡・建設会社の資材置場で火災

:無人の資材置場での火災。コンテナに入った建築用資材や廃材など約6立方mが焼けた

*2022/07/05発生の、静岡・自衛隊基地の整備工場で火災

:航空自衛隊基地の航空機や部品の整備、塗装などを行う整備工場での火災。基地の消防隊が鎮火した

*2022/07/08発生の、岡山・産業廃棄物処理施設で火災

:廃プラスチックや木屑を粉砕して保管している産業廃棄物中間処理施設での火災。野積みされていた廃プラスチックと油圧ショベル2台と破砕機1台の重機計3台が焼けた

*2022/07/09発生の、愛知・ゴム製品工場で火災

:工場が全焼。出火時、工場は稼働していなかった

*2022/07/12発生の、北海道・廃棄物処理施設の粗大ごみピットで火災

:粗大ごみを一時的に保管するなどしていたピットと、粗大ごみの家具や木製廃材などが焼けた

*2022/07/14発生の、兵庫・自動車解体工場でガソリンによる火災

:工場の従業員が、解体中の車両から抜いたガソリンを容器に入れて運搬中に誤って同容器を落下させ、漏洩したガソリンに何かの原因で着火して延焼した可能性。工場敷地内にあった廃棄予定車両約10台と、フォークリフトなどが焼けた。けが人はなし


近頃、水道管のトラブルのニュースをよく耳にします。

ここ数ヶ月で起きた水道管が関連する事故のうち、ニュースなどで大きく取り上げられたものをまとめてみました。

 2022/5/22 静岡・水道管が破損し、排水池の水位が低下
 ・約6,700世帯で断水
 ・水道管は設置から約50年が経過

 2022/6/29 北海道・水道管に穴が開き、水が噴出
 ・周辺が約5時間半に渡り断水
 ・水道管は設置から約48年が経過

 2022/7/6 福岡・水道管に穴が開き、水が噴出
 ・周辺の市道が一時通行止め
 ・水道管は設置から約56年が経過

 2022/7/15 宮城・水道管が破損し、水が噴出
 ・約2万世帯で断水、道路の冠水で車両の通行に影響
 ・水道管は設置から約60年が経過

一般的に、水道管の更新の目安は約40年といわれているそうです。上記にあげた事故の原因となった水道管は、いずれもすでにその更新目安の40年を超えています。宮城の事例ではその40年からさらに約20年経過し、設置から約60年が経過していたようです。

日本のインフラは、今から約50年前頃までの高度経済成長期に整備されたものが多いと思われますが、それらは、更新時期を迎えても、またはその時期を大幅に経過しても使用され続けていることは少なくないようです。なぜなら、インフラの更新には多額の資金が必要になることや、更新作業が容易ではないといった理由などがあると思われます。

上下水道、ガス、電気、道路・・・インフラを数えればきりがありませんが、近頃、インフラに関連するトラブルのニュースを多く耳にします。老朽化はもちろん、地震や豪雨などの自然災害による損傷なども多く起きています。

ちょうど高度経済成長期が終焉を迎えた頃に生まれた私は、インフラが未整備であった時代をほぼ経験していません。そのため、今後インフラが安定しない時代がやってくるのではと考えると、不安でなりません。

 

 

さんぽニュース編集員 伊藤貴子