RISCAD Update 2022年8月第4週【週刊化学災害ニュース】

2022/08/19 12:00– 2022/08/26 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年08月31日 10時00分



*2022/08/18発生の、宮崎・樹脂原料工場で配管の火災

:工場の屋外に設置された配管から出火した可能性

*2022/08/19発生の、神奈川・送電線に樹木が接近して地絡

:送電線に雑木林の樹木が接近して爆発音を伴う地絡が起き、火花が発生した可能性。再発防止のために電力会社が樹木の伐採を行った

*2022/08/19発生の、岩手・砕石工場で火薬の廃棄処理中に爆発

:砕石用火薬の焼却廃棄時に、火薬の燃焼が悪かったため油をかけたことで大きな爆発が起きた可能性。砕石工場を借りて廃棄作業をしていた火薬類販売商社の従業員3名がやけどなどで負傷

*2022/08/22発生の、宮崎・繊維工場で高圧洗浄機から発煙

:稼働中の高圧洗浄機から何かの原因で発煙した可能性

*2022/08/23発生の、静岡・社員食堂内の厨房の洗浄室で一酸化炭素中毒

:自動車製造会社の社員食堂内の厨房の洗浄室での一酸化炭素中毒。食堂の従業員14名が病院に搬送され、全員が一酸化炭素中毒と診断された。2名が一時意識不明の重症となり、後に意識が回復した。他の3名が中等症、9名が軽症と診断された。食器洗浄機は業務用でガスを動力としていたが、事故当時、何かの原因で同室内の換気扇が稼働していなかったことで換気不足となり、室内に一酸化炭素が滞留した可能性

*2022/08/24発生の、新潟・建設中の火力発電所で作業用ドラムの火災

:作業用ドラムと周辺に設置されていた仮設ケーブルの一部などが焼けた。発電所は建設中で試運転をしていたが、7/27から設備点検作業のため試運転を停止していた


上記、8/18の樹脂原料工場と8/22の繊維工場の事故は、敷地は違いますが、宮崎県の同一市内にある同じ会社の工場で発生しました。

この会社では、繊維工場では4月、樹脂原料工場では6月にも火災が起きました。

2022/6 樹脂原料工場で電機部品の火災 樹脂原料工場で電機部品の火災が起きた。火災通報装置が発報し、従業員が消火した。警察と消防の調べでは、同工場内の電機部品から出火した可能性がある。

2022/4 繊維工場の乾燥小屋で火災 繊維工場の4階建ての乾燥小屋の1階で火災が起きた。従業員が消防に通報した。化学消防車など11台が約15時間半後に鎮火したが,同小屋内の紙や筒,すのこなどが焼け,黒煙が発生した。同工場は稼働中であったが,従業員は避難してけが人はなかった。警察が近隣住民に煙を吸入しないように注意を呼びかけた。警察と消防の調べでは,同工場では化学繊維を製造していた。

そして3月には、同一市内にあるグループ会社の産業用爆薬工場で爆発事故が起きています。

2022/03 産業用爆薬工場で火薬類の計量作業中に爆発 産業用爆薬工場の平家建ての洗浄工室で火薬類の計量作業中に爆発が起きた。同工場関係者や近隣の住民が消防に通報した。同工室が全損して消失した。周辺の学校などの公共施設や住宅など約100棟で窓ガラスや壁が破損するなどした。計量作業中の従業員1名が行方不明となり,のちに死亡が確認された。同工場敷地内にいたグループ会社の社員や近隣の事業所の従業員,近隣住民など計5名が軽傷を負った。警察と消防の調べでは,同工場では,鉱山などの発破に使用する産業用爆薬の原料となるニトログリセリンや硝安油剤爆薬などを製造しており,同建屋には,ニトログリセリン約2tとジエチレングリコールジナイトレート約1.1tが貯蔵されていた。当時同工室では,従業員3名で火薬類の計量作業をしており,死亡した1名が計量を担当し,別の2名が運搬を担当していた。運搬を担当していた2名が同室を離れた際に,何かの原因で爆発が起きた可能性がある。

先週の2件の事故は幸い小火で済みましたが、事故が続いており気になるところです。

 

さんぽニュース編集員 伊藤貴子