RISCAD Update 2022年10月第1週【週刊化学災害ニュース】
2022/09/30 12:00– 2022/10/07 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年10月12日 10時00分
:土壁の移動作業中に土壁が倒れて学生らが下敷きになった事故。土壁の下敷きになった学生2名が頭を強く打ったり足を骨折するなどして重傷、教員1名が頭や足に軽傷を負った。計9枚の土壁のうちの1枚を移動させるため、側面を固定していた1辺約5cmの角材のねじを外している際、何かの原因で重さ約400kgの耐震実験用の土壁8枚が次々に倒れた可能性。大学の規則では、実験時のヘルメットや作業着の着用が義務づけられていたが実験の参加者はいずれも着用していなかった
:何かの原因でアセトンまたはオイルミストに着火した可能性。工場内に従業員が取残されるなどし、1名が死亡、17名が負傷
:二酸化マンガンと過酸化水素水をフラスコに入れて酸素を発生させる実験中の事故。希釈して使用しなければならない過酸化水素水を高濃度のまま実験に使用した可能性。実験に参加していた1年生の生徒29名のうち、12名の目や手足に飛散した過酸化水素水が付着したが軽症であった
:点検中の発電機の復旧準備のため、燃料タンクから軽油を入れて通油作業中に燃料配管の接続部から軽油約100Lが漏洩。配管の接続部に不具合があった可能性
:学生3名で化学反応実験中に、何かの原因で爆発が起きた可能性。学生1名が顔と首にやけどを負い中等傷となった
:工場では魚粉や魚抽出エキスなどを製造しており、当日は出火の約20分前まで稼働していた
1件目の9/20発生の石川の大学での事故は化学物質が関連する事故ではないのですが、保護具の非着用という観点から、RISCAD Updateで取り上げました。
保護具をきちんと着用して実験を行うことを身につけさせるのも、また教育の一環であるといえるのではないかと思うのです。
けがをされた方々の早期回復を祈ります。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子