RISCAD Update 2023年1月第3週【週刊化学災害ニュース】

2023/01/13 12:00 – 2023/01/20 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年01月25日 10時00分



*2023/01/13発生の、石川・気象庁の観測所で観測機器の火災

:上空の気象観測のため1日2回気球を自動で打上げる自動放球装置の火災。気球への水素ガス充塡中に、何かの原因で出火した可能性。観測所は2010年から無人化されており、職員が東京都内の施設からモニタで監視中に火災に気づいた

*2023/01/14発生の、山口・大学の研究室で実験機器の火災

:火災が起きた研究室内ではメタン発酵の実験関連の機器を保温していたが、担当の教員が室外に出ていた間に何かの原因で出火した可能性。大学は大学入学共通テスト会場となっており、安全確認のため午後の試験の開始時間が30分繰下げとなった

*2023/01/15発生の、中国・化学工場で爆発、火災

:工場内の設備の修理中に何かの原因で爆発が起きた可能性。2名が死亡、12名が行方不明、4名が重傷、30名が軽傷

*2023/01/16発生の、東京・不動産会社でスプレー缶のガス抜き作業後にガス爆発

:不動産会社の事務所内でハンマを使用して賃貸マンションから廃棄物として出た30-50本のスプレー缶のガス抜き作業をしたあと、ライターを粉砕していた際に同事務所内に滞留していた可燃性ガスに着火した可能性。ガス抜き作業などをしていた不動産会社の従業員2名がやけどなどで軽傷を負い、ビル1階にいたビルの管理人1名が頭部に破損したガラスがあたり軽傷

*2023/01/17発生の、タイ・造船所で修理中の石油タンカで爆発、火災

:約30,000Lの重油と約2,500Lの軽油を積載して修理のため造船所に停泊していたタンカの爆発、火災事故。タンカの内外で溶接作業中に、溶接で出た火花などで積荷の重油や軽油に着火した可能性。タンカ内にいた16名のうち3名が死亡、3名が行方不明、10名が負傷

*2023/01/18発生の、埼玉・リサイクル会社の資材置場で産業廃棄物の火災

:中古のパソコンや家電などを扱うリサイクル会社の資材置場での火災。野積みされた産業廃棄物が焼けた。廃棄物の中にはリチウムイオン電池などが含まれていた可能性


上記のように、1/16、東京の不動産会社でスプレー缶のガス抜き作業後にガス爆発が起きました。

「不動産会社」、「スプレー缶」、「ガス爆発」というキーワードを聞いて、2018年12月に北海道で起きた不動産仲介店での消臭スプレー処分中のガス爆発事故を思い出した方は多かったのではないでしょうか。

というのも、今回の東京での事故を受け、報道などで2018年の北海道の事故の事例が紹介されているのをよく目にしたからです。それだけあのガス爆発事故のインパクトが強かったということかと思います。

来週木曜日公開予定の2月のRISCAD CloseUPでは、2018年の北海道での事故がどのようなものであったのか、今回の事故と何かの共通点があるのか、見ていきたいと思います。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子