RISCAD Update 2023年2月第4週【週刊化学災害ニュース】

2023/02/17 12:00 – 2023/02/24 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年03月01日 10時00分



*2023/02/02発生の、愛媛・大学で上水配管誤接続により水道水からフッ素化合物を検出

:改修工事の際に井戸水の配管が上水配管に誤接続された可能性。水道水の水質検査の結果、フッ素およびその化合物の基準値0.8mg/L以下の約2.6倍にあたる2.1mg/Lのフッ素化合物が検出された

*2023/02/17発生の、北海道・大学のボイラ室の配管から水蒸気が噴出

:研究棟1階のボイラ室で、暖房用ボイラの配管から不凍液が漏洩して水蒸気が発生した可能性

*2023/02/20発生の、米国・金属工場で爆発、火災

:銅、青銅などの合金のインゴッドやペレットを製造する工場での事故。2名が重体、12名がけがややけどで負傷

*2023/02/20発生の、新潟・灯油販売所でタンクローリに給油中に灯油が漏洩して河川に流出

:灯油の給油機はタンクローリのタンクが満杯になると自動停止するようになっていたが、何かの原因で停止しなかった可能性。約3,000Lの灯油が漏洩し、河川につながる水路に流出

*2023/02/21発生の、北海道・飼料加工工場で機械の火災

:稼働中の工場での飼料用コーンを加熱する機械の火災

*2023/02/22発生の、長崎・造船工場の建造中の船舶内で爆発

:組立場内で船底に鋼板を熔接する作業をしており、熔接の火花などでガス設備か、塗料の溶剤に着火した可能性。作業員1名が死亡


上記2/20の灯油販売所での灯油漏洩事故ですが、タンクローリのタンクが満杯になれば自動停止するはずの給油機が、何かの原因で停止しなかったことで、約3,000Lの灯油が漏洩し、河川につながる水路に流出したとのことです。

ご自宅で灯油を燃料としたストーブやファンヒータを使用されている方はご存知の方がいると思いますが、ポリタンクの灯油を暖房器具の燃料タンクに給油する際に使用する家庭用の電動ポンプでも、やはりタンクが満杯になると自動停止するものがあります。

我が家は灯油を燃料としたファンヒータを使用していますが、給油の際に、室外でタンクが満杯になるまでポンプを見ているのは寒いのでついつい目を離し、しばらくして満杯になった頃を見計らってタンクを確認をするということをしてしまうのですが、もし万が一、ポンプの自動停止機能が働かずに灯油がこぼれてしまったら、何より危険ですし、清掃が大変なのはもちろん、臭いもしばらく残るなど、いいことがありません。

灯油販売所の漏洩事故のニュースを耳にして、機械だから確実ということはなく、機能に頼りきってはいけないなと感じました。

とはいえ、機械に不具合が起きる可能性は、人間がうっかりミスをしてしまう可能性よりはかなり低いと思います。過去に手動の灯油ポンプでの給油中に、タンクから灯油をあふれさせてしまった経験がある私としては、機械が給油し、人間がしっかりと確認をしておけばこのような事故はかなりの確率で防げるに違いないと身に染みて思うのでした。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子