RISCAD Update 2023年4月第3週【週刊化学災害ニュース】
2023/4/14 12:00 – 2023/4/21 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
投稿日:2023年4月26日 10時00分
:乳牛の小屋から糞尿を取り除く装置が過熱したか、または装置から出火するなどして、糞尿から発生したメタンに着火した可能性。事故直前、搾乳作業で乳牛が集められていたため乳牛への被害が拡大し、約18,000頭が焼死
:合成ゴムや半導体原料などを製造している工場での設備の火災。何かの原因でカーバイド製造設備の計装機器から出火した可能性
(下記2023/4/19発生の火災と同一の工場での火災)
:大学の理学部での実験中の事故。大学院生が1名で、カリウムやアンモニウムを使用した実験をしており、実験に使用したビーカをエタノールで洗浄していた際に反応が起きた可能性。同大学院生1名が顔や右目にやけどを負うなどして中等症
:総合病院の改装工事中の病棟で、作業で出た火花で塗料の溶剤に着火した可能性。入院患者、患者の家族、看護師など計29名が死亡、3名が重体、18名が重症となった。消防設備の不備があった可能性があり、当局が病院幹部や工事関係者ら12名の身柄を拘束した
:可燃性ガス製造設備付帯の排水溝に可燃性ガスが滞留し、何かの原因で着火した可能性。工場内で作業中であった協力会社作業員1名が髪を焦がすなどして軽傷
(上記2023/4/16発生の火災と同一の工場での火災)
:レースの加工などを行う工場での火災。電気系統の不具合で機械から出火した可能性
2023/4/19 大分・臨海工業地区で異臭が発生
臨海工業地区で異臭が発生した。周辺住民や近隣の企業の従業員など127名が目の痛みなどを含む体調不良となり、1名が病院に搬送された。警察が周辺地域の住民などにに窓を閉めて屋内待機するように呼びかけた。異臭の発生元の可能性がある場所の半径200m以内を一時立入禁止とした。消防の検査でメタン系の可燃ガスが検出され、空気中から有機リン系物質の反応が出た。警察と消防は、被害拡大の恐れがなくなったとして、異臭発生の通報から約4時間半後に現場での活動を終了した。警察と消防の調べでは、現場は臨海工業地区で、製油所や石油化学工場などが存在している。
127名の方が目の痛みなどの体調不良を訴え、1名が病院に搬送されたこの事象、「異臭騒ぎ」としてしまうにはちょっと不安な出来事だと感じました。翌日以降も警察や消防が原因の調査をしているとのことですが、有力な情報はなく、未だ原因不明のようです。(4/26現在)
さんぽニュース編集員 伊藤貴子