RISCAD Update 2023年8月第2週-第3週【週刊化学災害ニュース】

2023/8/4 12:00 – 2024/8/18 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年8月23日 10時00分



*2023/8/5発生の、東京・花火大会の綱仕掛花火の火花で枯草火災

:4年ぶりに開催された花火大会での火災。長さ約700mの綱仕掛煙火(ナイアガラ)の火花で河川敷の枯草3箇所に着火し、延焼した可能性。けが人はなかったが、来場者の安全確保が難しいと判断され、出火後すぐに花火大会は中止された

*2023/8/7発生の、トルコ・穀物サイロで船舶から小麦を移送中に粉塵爆発

:小麦を移送中に粉塵爆発が起きた可能性。港にある60棟のサイロのうち13棟が損傷。3名が重体、9名が負傷

*2023/8/8発生の、北海道・商業施設の地下駐車場で工事中に一酸化炭素中毒

:駐車場の壁の張替え作業で、照明や電動工具の動力源として使用していた発電機の不完全燃焼が起きた可能性。作業員11名が一酸化炭素中毒の症状で病院に搬送された

*2023/8/9発生の、秋田・災害廃棄物仮置場で廃棄物の火災

:2023/7の豪雨災害による災害廃棄物が集積された災害廃棄物仮置場での火災。可燃の災害廃棄物が焼け、近くの山林に延焼

*2023/8/16発生の、秋田・牛舎でシートの焼却作業中に火災

:牧草を包む樹脂製のシートの焼却作業中に火が牛舎などに延焼した可能性。牛舎内で飼育されていた数10頭の牛のうち18頭が焼死。消火しようとした牛舎の所有者が手や顔にやけど

*2023/8/16発生の、北海道・和菓子工場のコンテナ洗浄室で火災

:コンテナ洗浄室付近で電気系統の不具合が起きて出火した可能性。工場内にいた従業員1名が煙を吸って喉の痛みで病院に搬送された



先週はお休みをいただき、2週間ぶりの更新となりました。

事故情報の収集をしていると、たまに業種が類似した工場での事故が続いていることに気づくことがあります。先週がまさにそのような週でした。

8/9 愛知・製紙工場で火災
工場内の設備から出火した可能性。けが人はなし

8/14 新潟・紙製容器工場で火災
工場1棟約580平方mと、延焼した近隣の住宅や小屋、車庫など6棟の計7棟が全焼した。また、別の住宅や寺、倉庫など計7棟の一部が焼けた。けが人はなし

8/16 埼玉・段ボール工場の倉庫で火災
倉庫内に停めてあったパッカー車周辺から出火した可能性。現場から1名の遺体が発見された

8/16 愛知・製紙工場でボイラ配管が破損して水蒸気が噴出
蒸気供給用ボイラの配管が何かの原因で破損し、水蒸気が噴出した可能性。蒸気を止めるため工場が全停止された。けが人はなし

事故の規模、事象はそれぞれ全く違いますが、紙関連のものを扱う工場での事故がおよそ1週間の間に4件というのは、やはり気になるものです。

だから何という話ではないのですが、いつも事故の情報と睨めっこしているからこその気づきと言えるのではないかと考え、ご紹介いたしました。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子