RISCAD Update 2023年9月第1週【週刊化学災害ニュース】
2023/9/1 12:00 – 2024/9/8 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年9月13日 10時00分
:鉄道用工事車両の製造、整備を行う工場での火災。工場約100平方mが全焼し、工場内にあったショベルカーやトラックが焼けた
:放射線管理区域外の給水処理建屋内のタンクをガスバーナで溶断して解体中に、タンク内にある腐食防止用のゴムに着火した可能性
:熔けた鉄を積載したトロッコから別の容器に移送する際に、トロッコが転倒した可能性。熔けた鉄約100tが漏洩
:銭湯の地下1階のボイラ室の燃料貯蔵タンクで2度の爆発が発生。消防士などを含む計22名が重軽傷を負って病院に搬送された。燃料貯蔵タンク内の燃料が気化したガスに何かの原因で着火した可能性
:出火時、現場付近は激しい雷雨で、落雷により出火した可能性。工場内の鉄くずが焼けた
:鋳造を行う工場で、工場には熔解炉があり、鋳型を作るためにワックスを使用していた
今年6月、沖縄のビール工場で以下のような事故が起きました。
6/26 沖縄・ビール工場からプロピレングリコールが海に流出
ビール製造工場から冷却水のプロピレングリコールが漏洩して河川と海に流出した。プロピレングリコールは食紅で着色されており、流出により周辺の河川の水と海水が赤色になっているのを同工場付近に住む従業員が発見した。けが人はなかった。人体や環境への影響はなかった。同工場の調べでは、何かの原因で醸造設備の冷却に使用されていたプロピレングリコールが漏洩し、雨水溝を通って河川から海に流出した可能性がある。プロピレングリコールは、ビールタンクに混入した際に色でわかるように食紅で着色されていた。
この事故の原因は人為的ミスで、醸造設備の冷却水(プロピレングリコール)の送液ポンプ3台のうちの1台の出口配管で、開放すべき手動バルブを閉じたままポンプを稼働させ、流れがせき止められたままの配管に冷却水が送られ続けたために配管に亀裂が入り、そこから約25立方mの冷却水が漏洩したとのことです。
食紅で着色されたプロピレングリコールの漏洩により「海が赤く染まった」と言われたこの事故、プロピレングリコールの流出量は水質汚濁防止法で定められる基準値以下で、生態系などに大きな影響はなかったとのことです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子