RISCAD Update 2024年2月第4週【週刊化学災害ニュース】

2022年、2023年に飲食店で起きた事故のその後のニュースが入ってきました。いずれもカセットこんろ用ガスボンベが関連した事故でした。

2022/12　兵庫・飲食店の鉄板の上でカセットコこんろ用ガスボンベが破裂
飲食店でカセットこんろ用ガスボンベの破裂が起きた。テーブル席にいた客1名が胸部打撲による心臓の損傷で意識不明の重体となり、病院に搬送されたが、3日後に死亡した。店員や別の客にけがはなかった。警察と消防の調べでは、死亡した客はテーブルに鉄板が設置された席に座っており、鉄板でお好焼きを焼いて食べた後、店側が鉄板の上に設置したカセットこんろで焼肉を食べていた。鉄板の温度が十分下がっていないうちにカセットこんろを置いて使用したため、ガスボンベが加熱されて破裂した可能性がある。

破裂したカセットこんろ用ガスボンベの破片が客1名の胸にあたり、胸部打撲で心臓が損傷し、3日後に死亡した事故です。

この事故については、その後、焼肉を調理していたカセットこんろが置かれた鉄板のスイッチが切られておらず、火がついたままであった可能性があることが判明しました。それによりカセットこんろのガスボンベが加熱されて内圧が上昇し、破裂した可能性があります。

鉄板のスイッチを切り忘れるなど安全確認を怠ったことが事故につながったとして、2/22に、警察が当時の店長を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。

2023/10　大阪・すし店で調理用ガスバーナのガスボンベのガス爆発
2階建てのすし店の1階のオープンキッチンで調理用ガスバーナのガスボンベが破裂してガス爆発が起きた。客8名と従業員4名の計12名が顔や腕にやけどで軽傷を負った。警察と消防の調べでは、魚などを炙るのに使用する調理用ガスバーナに取付けたカセットこんろ用ガスボンベが、何かの原因で加熱されて破裂し、漏洩した可燃性ガスに着火した可能性がある。事故時、同店舗内には1階、2階合わせて約100名の客がいた。

客8名と従業員4名の計12名が顔や腕にやけどを負った事故です。

こちらの事故については、カセットこんろ用ガスボンベが、魚などを焼く際に使用する調理器具の上に置かれていたことで、調理器具の使用中にガスボンベが加熱されて事故の原因となった可能性があることが判明しました。カセットこんろ用ガスボンベが加熱されたことで内圧が上昇して破裂し、漏洩したガスに付近の火で着火した可能性があります。

カセットこんろ用ガスボンベを火気の近くに置かないよう店員に指導しなかったなど、注意義務を怠ったことが事故につながったとして、2/22に、警察が店長ら3人を業務上過失激発物破裂などの疑いで書類送検しました。

これらは飲食店での事故事例ではありますが、カセットこんろ用ガスボンベを火気のそばに置くことは大変危険であることが分かるかと思います。私たちも日頃から気をつけましょう。