RISCAD Update 2024年3月第2週【週刊化学災害ニュース】
2024/3/1 12:00 – 2024/3/8 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
投稿日:2024年3月13日 10時00分
:作業員2名が橋梁修繕工事のため、粉塵の飛散を防止するシートに囲まれた橋の下の空間で発電機を使用して雨水排水管の切断作業を行っていた。換気不足により、空間内に一酸化炭素が滞留した可能性。2名は体調不良となり、うち1名が病院に搬送されて入院した
:採卵用の鶏約22万羽を飼育する養鶏場での火災。鶏舎2棟計約3,600平方mが全焼し、うち1棟で飼育されていた鶏約5万羽が焼死。もう1棟には鶏はおらず、工事業者が溶接作業を行っていた。溶接で出た火花が飛ぶなどして、鶏舎に着火した可能性
:倉庫には長さ30-45cm、重さ4.5-6.7kgのブタンガスボンベが大量に保管されていた。また、大量の亜酸化窒素ガスボンベや、リチウムイオン電池が入った10万本以上の電子たばこ器具が保管されていた。何かの原因でブタンガスに着火し、大量のガスボンベやリチウムイオン電池に延焼するなどして被害が拡大した可能性
:2024/1に稼働開始した、LEDライトの光でレタスの栽培をする工場での火災。何かの原因で独自開発のレタス栽培用LEDの電気系統から出火した可能性
:3/5の12時頃に、タンクローリから誤ってガソリンを灯油のタンクに荷卸した可能性。3/5の12時から3/7の19時までの間に、誤混入があった灯油計約2,000Lを88名に販売した
:農業用水路のトンネルの老朽化に伴う補修工事中、トンネル内の補強用の鋼板に錆止め剤を塗装中に起きた事故。塗料の希釈に有機溶剤を使用しており、有機溶剤中毒が起きた可能性。現場には複数の送風機が設置され、作業員はマスクを着用して作業を行っていた
上記、養鶏場での火災を1件お知らせいたしましたが、先週は鶏卵の孵化施設の養鶏場でも火災が発生しました。
3/4 福島・養鶏場の鶏舎で火災
鶏約2万5,000羽を飼育する鶏卵の孵化施設での火災。鶏舎2棟が全焼し、鶏舎2棟の一部が焼けた。飼育していた鶏約4,500羽が焼死した。けが人はなかった
畜産農場の飼養環境には木造のものが多くあり、また、飼料やわらなどの燃えやすいものが多くあると推察されます。
3月は、暦の上ではすでに春ではありますが、気温が安定しない時期でまだまだ寒い日が多くあります。家畜や家禽のために暖房器具を使用する施設は多いことでしょう。
そのような火気が火災の原因になる可能性もあります。使用の際には、せめてその周辺から火災の拡大などにつながる可能性があるものを除いておきたいものです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子