RISCAD Update 2024年8月第1週【週刊化学災害ニュース】

：化学工場のトリクロロエチレン供給ラインの屋外配管からトリクロロエチレン約10Lの漏洩が起きた。高さ約5mの架空配管から下方の土壌に漏洩した。約5Lは回収され，同工場が基準値を超える濃度のトリクロロエチレンが含まれる土壌を撤去した。地下水や排水のトリクロロエチレン濃度が基準値以下であることを確認した。同工場の調べでは，トリクロロエチレンは人工皮の洗浄用で，配管の溶接部が腐食したことでできたピンホールからトリクロロエチレンが漏洩した可能性がある。

：リサイクル工場で金属スクラップなどの火災が起きた。通行人が消防に通報した。消防車16台が約8時間後に鎮火した。けが人はなかった。警察と消防の調べでは，同工場ではペットボトルや金属スクラップなどを扱っていた。同工場は出火の約1時間半前までは稼働していたが，出火時同工場は無人であった。

：半導体工場で機器内で清掃作業中にアルゴンガスを吸入して酸欠が起きた。作業員1名が意識不明の重体となり，助けに入った別の作業員1名が体調不良で軽症となった。警察と消防の調べでは，半導体部品の製造機器内で清掃作業を行っていた際に，充満していたアルゴンガスを吸い，酸素欠乏となった可能性がある。