RISCAD Update 2024年9月第3週【週刊化学災害ニュース】
2024/9/11 12:00 – 2024/9/18 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
投稿日:2024年9月25日 9時10分
:下水処理施設でマンホールの補修作業中にガス爆発が起きた。通行人が消防に通報した。消防車など19台が約20分後に消火したが,同施設の建屋の一部が焼け,窓ガラスが破損して破片が周囲に飛散した。敷地内の車両が横倒しになった。また,近隣住宅にも被害が出た。作業員と市の職員,計4名が軽傷を負い,うち3名が病院に搬送された。市と警察,消防の調べでは,同施設の地下には,雨水をためて下水処理場に送水するための貯水施設があり,当時,臭気対策のため,マンホールの周囲の隙間を埋める作業をしていた。汚水に含有される物質などが原因で可燃性ガスが発生し,作業完了後に排水ポンプの試運転をした際に,可燃性ガスに着火した可能性がある。
:小学校で理科の実験中に塩酸の吸入による中毒が起きた。教員が消防に通報した。6年生の児童9名が喉の痛みなどの体調不良で病院に搬送されたが全員軽症であった。警察と消防の調べでは,当時,6年生の児童が,ビーカに入れたアンモニアと塩酸の臭いをかいで確かめる実験を行っていた。塩酸の吸入後に体調不良となった可能性がある。
:食用油工場の直径約7m,高さ約6mの食用油のタンク内で溶接作業中に爆発が起きた。従業員1名が意識不明の重体で病院に搬送されたが,死亡した。警察と消防の調べでは,死亡した従業員は,別の従業員と2名で同タンク内の油の除去作業を行っていたが,その後1名で同タンク内に残り,溶接作業を行っていた可能性がある。
:中学校で理科の実験中に塩素ガスによる中毒が起きた。同校の教頭が消防に通報した。授業終了の約40分後に1年生の生徒8名が嘔吐や喉の痛みなどの体調不良となり,病院に搬送されたが軽症であった。警察と消防の調べでは,理科室で1年生の生徒29名が理科の実験に参加しており,教員が塩素系漂白剤に薄めた塩酸を混合して塩素ガスを発生させ,生徒が見学をした際に,発生した塩素ガスを吸い込んだ可能性がある。実験中は窓を開けて換気をしていた。教科書には,塩素系漂白剤と塩酸は混合しないように記載されていた。
さんぽのひろば編集室