RISCAD Update 2024年10月第2週 【週刊化学災害ニュース】
2024/10/02 12:00 – 2024/10/09 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2024年10月16日 16時00分
:空港の誘導路で不発弾の爆発が起きた。誘導路に長さ約7m,幅約4m,深さ約1mの陥没が生じた。けが人はなかった。航空機への被害はなかった。自衛隊の不発弾処理隊が,残存していた不発弾の一部の撤去作業を行った。同空港の滑走路が閉鎖され,航空機87便が欠航し,約6,000人に影響が出た。国土交通省が陥没を埋戻し,約12時間後に同空港の運用が再開された。自衛隊の調べでは,爆発したのは戦時中の米国製の250kg爆弾の不発弾で,同誘導路の深さ約1m以内に埋まっていた可能性がある。
:海上に停泊中の全長約65m,約500tのケミカルタンカの深さ約4mの容量約200tのタンク内でトルエン中毒が起きた。船員1名が意識不明の状態で倒れているのを,見回り中の別の船員が発見し,同船の船長が海上保安部に通報した。同船員は病院に搬送されたが,約3時間後に死亡が確認された。海上保安部の調べでは,死亡した船員は,タンク内に残留していたトルエンを吸って中毒となった可能性がある。同タンカは,当日,すべての薬品を荷下ろし後に,タンク内の洗浄をする予定で,当時タンク内の空気の清浄化は未実施であった。作業マニュアルでは,タンク内での作業は,2名1組で行うことになっていた。
:農薬・肥料工場で農薬製剤の製造切替作業のため薬液タンクの洗浄中に同タンクの爆発,火災が起きた。同工場の従業員が消防に通報した。消防が約1時間半後に鎮火した。作業員1名が全身やけどで重体,別の作業員が目の痛みなどで軽傷を負った。タンクの破損はなかった。警察と消防の調べでは,重体となった作業員が1名で同工場内の薬液タンクの洗浄中に,何かの原因で爆発が起きた可能性がある。
:医薬品製造工場で医薬品原料の選別作業で酸素欠乏が起きた。選別作業をしていた作業員10名のうち7名が,作業後に事務所に戻った際に体調不良となり,他の3名とともに会社が病院に搬送した。病院が警察に通報した。体調不良となった7名に意識はあり,酸素欠乏症と診断されて入院した。他の3名に症状はなく,帰宅した。警察の調べでは,作業員は防護服とマスクを着用して,粉末状の医薬品から異物を除去する作業していた。
さんぽのひろば編集室