RISCAD Update 2024年11月第2週 【週刊化学災害ニュース】

：小学校で理科の実験中に教員が転倒して濃度35%の塩酸約30mLが飛散した。飛散した塩酸が，転倒した教員の顔と手の甲，付近に座っていた児童2名の足首付近に靴下の上からかかった。児童2名は病院を受診し，うち1名の皮膚が薬傷により直径約5cmにわたって赤くなる軽傷を負った。もう1名の児童と教員に症状はなかった。学校と教育委員会の調べでは，6年生の理科の授業で塩酸の臭いを確かめる実験を行っていたが，実験に使用した希釈した塩酸では臭いが弱かったため，教員が濃度35%の塩酸が入った瓶持って教室内の各テーブルを回って臭いを確認させた。その後教壇に戻る際に，延長コードに足を引っ掛けて転倒したことで，手に持っていた瓶から塩酸が飛散した。

：大韓民国・慶尚北道浦項市の製鉄所で爆発，火災が起きた。製鉄所の自衛消防隊と消防当局の消防車51台，消防隊員141名が出動し，約2時間後にほぼ消火された。工場内にいた従業員8名のうち7名は避難し，1名が手足などに火傷を負って病院に搬送された。関係者によると，溶融炉事故の可能性がある。