RISCAD Update 2024年11月第4週 【週刊化学災害ニュース】
2024/11/20 12:00 – 2024/11/27 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2024年12月11日 13時15分
:化学工場の高純度アンモニア水製造設備の配管からアンモニアを含む排気ガスの漏洩が起きた。漏洩はすぐに止められたが,ガスが付近の部屋に入り,室内にいた関連会社社員5名のうち4名がガスを吸い込むなどして体調不良で病院に搬送されたが,診断の結果,異常はなかった。工場周辺への影響はなかった。警察と消防の調べでは,高純度のアンモニア水の製造中に何かの原因で配管からアンモニアを含む排気ガスが漏洩した可能性がある。
:化学工場敷地内とその付近の道路で4tトラックのタンクから濃度35%の塩酸約400Lの漏洩が起きた。塩酸は同工場の敷地内や,工場に向かう途中の道路に最大700mにわたり流出した。同工場の従業員が消防に通報した。消防や県,専門業者が石灰を撒くなどして中和作業を行った。けが人や体調不良はなかった。市が放送やメールで同工場付近に近付かないように呼びかけた。中和作業などのため,付近の国道約500mが約3時間通行止めとなった。警察と消防の調べでは,同トラックは工業用薬品を製造販売するメーカーのもので,塩酸約800Lを積載して同工場まで運搬していた。荷台のプラスチック製タンクに約10cmの亀裂が入り,塩酸が漏洩した可能性がある。
:研究機関の試験場でロケットエンジンの燃焼試験中に爆発,火災が起きた。約45分後に消火したが,実験施設の一部が損傷し,周辺にロケットの部品などが飛散した。けが人はなかった。同研究機関の調べでは,爆発はロケット2段目の燃焼試験中に起き,約120秒間行われる予定の試験中,燃焼開始後約20秒でロケットエンジン内の圧力が予測より上昇し始め,約49秒後に爆発した。爆発直前の圧力は,構造材の限界値には達しておらず,想定された圧力内での爆発であった可能性がある。同ロケットは固体燃料を使用した3段式のロケットで,すでに1段目と3段目の燃焼試験を終えていた。
さんぽのひろば編集室