RISCAD Update 2025年4月第5週【週刊化学災害ニュース】

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投稿日:2025年5月9日 11時50分


環境調査会社でフッ素蒸留操作中にガラス製の蒸留装置の破裂が起きた。同社の従業員が消防に通報した。消防車など12台が出動した。従業員1名が飛散したガラスの破片で頭部に負傷し,別の従業員1名が煙を吸って体調不良となり,いずれも病院に搬送された。警察と消防の調べでは,フッ素の蒸留操作で薬品を混合する作業中に破裂が起きた可能性がある。


アルミニウム加工工場の稼働中の乾燥炉で爆発が起きた。同工場の壁や屋根の一部が損傷した。けが人はなかった。警察と消防の調べでは,同乾燥炉は,ガスを使用した熱でアルミを加工するために設置されていた。


イラン・ホルムズガン州バンダルアバスの港でミサイル用固形燃料などが保管されたコンテナの爆発が起きた。周辺の建物が倒壊した。コンテナ内の化学物質により散発的に火災が起き,港内の他の貨物に延焼した。有害ガスが発生した可能性がある。火災は,約48時間後に鎮圧された。57名が死亡,1,200名以上が負傷し,約190名が入院した。政府の調査委員会の調べでは,コンテナには,弾道ミサイルの固形燃料の主成分である過塩素酸ナトリウムなどが保管されており,コンテナの間で小さな火災が発生し,その後,大きな爆発が起きた。安全対策上の違反や安全手順の不遵守などの過失が原因の可能性がある。


鉄道駅のプラットホームの自動販売機横に設置されたごみ箱でアルミニウム缶の破裂が起きた。破裂音が聞こえたと警察に通報があった。けが人はなかった。警察の調べでは,ごみ箱の中でアルミニウム製のコーヒー缶が破裂した状態で見つかり,コーヒー缶の中からアルカリ性成分が検出された。アルカリ性成分がアルミニウムと反応して水素ガスが発生し,破裂した可能性がある。


7階建て物流倉庫の新築工事現場1階でガスバーナによる鉄骨切断作業中にガス爆発が起きた。1階のコンクリート床に穴が開き,鉄骨切断作業をしていた作業員1名が数m下の地下に落下し,2階から落下した約2mの鉄骨の下敷きになった。約3時間後に救出されたが,心肺停止の状態で病院に搬送され,死亡が確認された。飛散したコンクリート片が当たるなどし,作業員1名が頭部に重傷,他の作業員3名が軽傷を負った。警察の調べでは,ガスバーナを用いた作業中に何かの原因でガス爆発が起きた可能性がある。


さんぽのひろば編集室